第27話 トウカは心配

一騎打ちが終わった後、私はアイチさまの元に来た

アルテミスという将軍は髪が腰まであり金髪のストレートだ

私も髪を切らなければ似たような髪型だっただろう

アイチさまは私に隠しているが、私にはわかってしまった

異世界から転生者である事

過去にいじめなどに遭いまた前世の奥様にも裏切られた事

いじめの発端もクラスの女子だったようだ

女性に対して淡白になるのもわかる気がする

私がどれだけアイチさまが好きと言ったとしても信じないしその裏を読んでいるようだ

でも、アイチさまは基本誰にでも優しい

道を尋ねれば親切に説明したり、連れて行ったりしている

前世では電車内で倒れた人を助けたり知らないお婆さんのためにタクシー?と言うものを読んであげたり、女性にも優しくしている

女性は嫌いではないようだ

心を許さないようにしているようだ

でも私にはわかる

その優しさの裏には、本当は自分の事を助けてと叫んでいるからだ

本当は自分でどうしようもなく誰かに助けて欲しいのだが、そこで他人を信用しないが出てくるから複雑だ

私は相手の心を読めるからこそなんとかできる気がする


それこそが真心眼スキルを手に入れた意味がある

そう真心眼  

小さい時初めてアイチさまと会い、そして死を覚悟した時盗賊の刃に自ら命を落とす瞬間目の前に矢が通り抜けた

その時暖かい何かに包まれた

その時私は死を悟った

死ぬ時はこんなにも暖かいのだと感じた

でも違った、スキルが芽生えた瞬間だった

それが真心眼

相手の言葉の真の言葉がわかるスキル

まぁそれだけではないけど

でも、あの時の言葉は私の事を思っての事

私だけがわかっている事

アイチさまは本当は私の事好きなんだから

そんな事がわかっているなんてアイチさまには言えない

あの女性もアイチさまの元に降るようだ

泥棒ネコだ

処女アルテミスが興味を持つなんて一番は許さないんだから

第一正妻だけは譲れない

何やら話が終わったアルテミスは此方にやってきた

私は思いっきりアルテミスにジト目をした

アルテミスからどうして貴女が戦場にいるのと聞かれ、あっコイツもギリシア神国の第二王女だったと思い出した

慌ててアイチさまから外れて説明した

話を合わせてくれたようだ

神装を纏うと神の力が具現すると言われている

彼の本質を見抜くかも知れない

見抜いた上で興味をもったようなので強敵だ

これからは私とアルテミスの一騎打ちが始まる予感(恋のだけど)

さぁ魔の森に帰って海への道を考えなくちゃ

アイチさまと新たに仲間になった者を連れて帰る事になった

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