第6話 新たな仲間

国王が王都へ帰って行った

やれやれとイスに座っていると父さんと母さんが部屋に入って来た

ドアがノックされ返事をすると「入るぞ」と一言ありドアが開いた

入ってくるなり二人に詰め寄られた

「アイチ国王様に対してあの発言はないだろ」

「トーカの話ですか?トーカのためにあれで良かったとおもいますが?」

「どうしてだ」

「一度危機を助けられたから一生を決められるのはどうかと思いますよ」

「たしかに、そうだがキョウトーカ様についても満更ではなかったぞ」

「ひと時の感情で決めるのは早計だと言っています。まだ5歳ですよ、人生の1割も生きていないのですがもう伴侶を決めては国のためにもトーカのためになりません」

少し怒り口調になる

「いやアイチお前5歳じゃないだろう?考え方が子どもじゃない」

と愕然している両親

「この世界で生まれて5年しかたっていませんが?」

間違った事は言っていない


前世の記憶を持ってやり直すなんて面倒くさいじゃないですか?と前世の後輩に言われたが、本当に面倒くさい

恋愛とかで相手の気持ちとか考えるのさえ面倒なのだ

だから恋愛感情を持たない様メイドに身の回りの世話だけして貰えば良いだ

「しかしアイチの人に壁を作ると言うか遠ざけていると言うか?」

なんとも言えない顔をしている

両親は暫くはそのままにしようとなった


あの事件以来僕は守備隊の人達と訓練している

ある朝起きて見慣れないネコ、そうこの時代に居ないであろうクロネコなのだ

気になって尾行して見た

クロネコは時折後ろを確認しながら?何故か僕がついて来ているかを確認してる様に歩いている様に見える

魔の森方面へ歩いていく

暫く僕もネコについていくと、魔物と魔物が戦っていた

熊の様な魔獣と銀色の狼だ

銀色の狼は一匹で戦っていたようた

熊の様な魔獣は四匹で戦っていた様だが三匹倒れている

銀色の狼は毛の色を赤く染めており満身創痍なのだろうか?

よくみると後ろの陰に子どもが二匹いるようだ

子どもを守るために戦っているのだろう

僕は銀色の狼を助ける事にした

弓を引き矢を放つ

熊型魔獣は、銀色狼に気を取られ此方に気付いておらず目を射られた

銀色狼はこの一瞬のチャンスを見逃さず熊型魔獣の首を跳ねた

僕はそっと近づいて行った

銀色狼はもう息をしていないかと言うくらいダメージがでかい

ただ此方をずっと見ている

いや睨んでいるが正解かもしれない

自分の子どもが僕に捕まったり殺されないか心配なのだろう

僕はそんな事はしない

安全であろう場所まで連れていくだけだ

二匹の子どもの前で、僕はそっとしゃがんだ

笑顔で僕は君の敵じゃないよ

と手を差し出す

子どもは匂いを嗅ぐ様に少し体を前に出すが直ぐに引っ込める

少しずつ少しずつ前にでる一分に一歩くらいだ

しかし子どもの狼は恐怖からか手に噛みついた

僕は痛かったが空いている手でそっと撫でた

大丈夫怖くないよ

怖い思いをしたねと狼たちに声を掛けた

暫くすると子狼は手を舐め出した

親は安心したのか此方を見て子どもたちを頼むと行って来た様に思えた

その後母親らしい狼は死んでしまった

この時ほど回復魔法があればと思った事はない

子狼二匹に懐かれた僕は何処に巣を作るか考えていた

二匹は僕の足元で体を擦り付けてくる

また二匹を撫でていたら、従魔扱いになっていた

あれ?と考えていたら脳に声がして来た

「ご主人様僕はゴールデンウルフです」

「ご主人ちゃま私はシルバーウルフです」

念話ができるのこの子達

便利だ

「名前はないの?」

「「ないからご主人様(ご主人ちゃま つけて下さい」」

「うーむ、わかった。ゴールデンウルフだから金狼、金珠、うーん ありきたりだけどヤマト?」

「金色のオーラを纏し疾風の様に駆け抜ける我が名はゴールデンヤマト 」

突然何が始まったの?と唖然とした

まだ生まれて数日だよねこの子達

「ヤマトでいいのかな?」

「ご主人様、ありがとういい名前です」

と喜んでいた

「ヤマトの姉妹艦は武蔵なのだが男の子ぽいしな」

「ムサシなんて い や で す」

なんで溜める?

「シナノは?」

「シナモン見たい」

「シナモンしってるの?」

「知らない、何となく閃いただけだから」

「何だぁ」

「ご主人ちゃまかわゆい」

「茶化すなよ」

「はーい」

「ミズホとかミズキとかは?」

「ミズキが良い」

「じゃミズキで、何か理由あるの?選んだ理由」

「特にない、なんとなく」

「わかった、ミズキよろしくな」

ミズキはニコッと笑った

「で、お前たちはどうする?」

「ご主人様と一緒にいるよ」

「しょうがない家に行くか」

と二匹連れて自宅に戻るのだった



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