第3話 幼少期 王女襲来
数日が過ぎた頃国王一家が視察に来た
視察とは街の視察ではなく実は僕の視察だったのは、遠い未来の僕が知ることとなる
国王と父は仲良し、子どもが異性同士なら結婚させようと生まれる前からの許嫁だったのだ
子ども二人を合わせて相性を見るのとお互いの子どもを見定めるのが今回の目的
子どもの二人には全く知る事はないのだ
僕は国王陛下に挨拶をする
「アイチ・ベルバーグです」
と片膝をついて頭を下げる
「うむ、カイザー・ペンド・ランドールだ」
此方が妻の
「エルザベス・ペンド・ランドールよ。エルお義母さんと呼んでね、そしてこの娘が」
いつからお義母さんになったんだよ
と心で呟いた
スカートの左右の裾を両手で軽くつまみ少し横へ広げて右足を少し下げて頭を軽く下げた
「第一王女ことキョウトーカ・ペンド・ランドールよ。よろしく」
全員の挨拶が終わったところで大人たちはこの街の視察に行って来るから二人でこの屋敷の敷地内で遊んでなさい
「「わかりました」」
向こうもこうなる事をわかっていたのか文句は無かった
「アイチ、案内しなさい」
「わかりました」
此方が今日泊まる部屋になります
「あっそう」
気難しい娘だな父親だったら張り倒す
イヤイヤ今は虐待だから
色々部屋などを案内して、最初の部屋に戻り椅子に腰掛けた
「ねえアイチ今回の視察何かおかしいのよね」
「おかしいとは?」
「普通視察に家族で来ないのよ」
「あぁ、遠いし家族サービスのつもりだったのではないでしょうか?父とは仲良しだったようなので謀反も起きにくいでしょうし」
「そうかしら」
と足を組みながら右肘を肘掛けに乗せながら頬杖を付きながら返事をした
「ねえアイチ、明日領地の外に行ってみたいのだけれどダメ?」
僕の顔を下から左斜め45度に顔を覗き込んで両手は此方の手を握り上目遣いで見て来る
俺が女性不審いや人間不信でなければ5歳幼女に陥落していただろう
「ダメです」
と一言と同時に
「チィ」
と舌打ちが入った
5歳幼女が舌打ちするなよと心で叫んだ
王女も剣術を習っているようなのでお互い軽く撃ち合いをした。
本当に軽くだ
「アイチかわしてばかりでなく当たりなさいよ」
「当たったら痛いからやだよ」
「私が折檻してあげるって言ってるでしょうが」
「何折檻ってさっきまで打ち合っていたらやられっぱなしだから剣を使うならって言ったの王女さまですよね」
「だから素直に剣で殴られなさい」
「嫌ですよ、当ててください。
で き る な ら ね」
と煽りまくる
「キー、この この この この」
と剣を振り回す
ちょうど国王陛下達が部屋に戻られた為お開きになった
「ねえトーカ アイチ君はどうだった?」
とエルが笑顔で聞いてくる
「どうと言われても、チョット生意気で可愛げがないわ」
とブスッとして返事をした
「あらよかったわね、王女でなく女の子として扱って貰ったのね」
「王女として扱ってないかもしれないけど女の子としても扱われてない気がするけど」
「あら、よかったわね」
とニヤニヤして笑っているお母さん
「何処がだよ」
と叫んで布団をかぶる
「アイチ、トーカちゃんはどうだった」
と母が聞いてくる
「ただ面倒臭いだけでした」
そう答えると
「女の子は大体そんなものよ」
「わかっているから関わりたくないのですけど」
と心底嫌な顔をした
あらら、なんかあの子女性に厳しいのよね
「疲れたなら今日は休みなさい」
「わかりました」
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