~影が薄いきみ 2~
似てる・・・。でも、同じじゃない。
そっくりなだけであって、あの人の音色ではないわ。
そもそも、私の記憶では、あんな影の薄い人じゃなかった。むしろ逆で、どこにいても目立つ、太陽のような、炎のような人だったもの。
違う・・・よね?
「・・・!・・・さん!藤宮さん!」
「うあああはい!!」
急に頭の中で響いた音にびっくりして跳ね上がると、目の前に担任の顔が。
少ししわがある。見た感じ四十代かな?
ていうか、入学早々やってしまった。周りのクラスメイトがくすくすと耳障りな音を出す。
・・・うるさい。
ふと、同じクラスだった朝の美青年を見る。
私のようにぼーっと先生の話を聞き流すわけでもなく、真剣に聞くわけでもなく、机の下で読書をしている。
おい!あいつの方が悪いだろ!
「ちゃんと話は聞くように」
「・・・はーい」
ああ・・・本当、うるさい音。
私は心の中で軽く舌打ちをした。
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