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でも、私に幸せなんて、最初からなかった。

父と母は良く言い争っているのを幼い頃から見て育った。中が悪かった。 それは、幼い私でも見ていてわかった。

私には14歳年上の兄がいる。でも、歳が離れすぎているせいか、兄と会話することはほとんどない。それとも、私のことは妹思っていないのか、とにかく仲は悪くもないただ、お互いに干渉をしない。いつもそうだ、外で愛人と過ごすことの多い父と、そんな父が嫌いな母、無関心の兄。悲しいとは、思わない。小さい頃は、どう思ったかなんて、もう覚えてない。

そんな、私にも楽しみがある。それは、家族に内緒で世話をしている猫だ。さすがに、家に連れて帰れば怒られると知っているので、密かに近くの橋のしたで世話をしている。私にとっては、これが楽しみだった。家にいても楽しいことなんてないから、こうやって外で猫と遊んでいる方が何倍も楽しいのだ。

それに、嫌なことも忘れられる。そして、何より誰かに必要とされていることが嬉しかった。猫の存在は私にとっては大切だった。

でも、別れは突然やってきた。

学校の帰りにいつものように猫に合いにいった。でも・・・・・・・・。

「ぎゃは、ぎゃは」

「やっべー、猫殺しちまった!!」

「あっはっはっ!!まじやベー」

近くでうろうろしている、不良だろうか、不良の3人組がいた。そして、その手に金属バットをもって

何度も何度も叩いて・・・・・・・・いた。

私の大切なものが一瞬に無くなった。

私は、その事実が受け入れられなくて、慌てて不良たちのところへ駆け寄る。

「やめて!!」

いままで、出したことのない大声を出して叫ぶ。

猫は・・・・・・すでに・・・・・・・。

涙が出た。大切なものがいとも簡単に。

怒りの矛先を不良の少年に向けた。

少年たちを見ていた睨み付けると。

「はぁ?なんだ、その目はさぁ?」

「猫殺されて、きでも狂ったか?」

「バカな女だな」

少年たちはギャハギャハわらいながら言う。

「それとも、今度はテメーがその猫みたいになりたいのか?なぁ?」

少年は私に近付き冗談めいたように言う。

「あなたたちは、何とも思わないの?」

泣きながら私は言う。

「なんとも思わない?何とも思わないに決まってるだろうがーあはは!!」

と、少年はへらへらと言う。

「そろそろ、行こうぜ」

不良の少年1人がそう言う。

私は、直ぐ様言う。

「逃げるの?私に殺されるかもって怖いから」

私は、挑発する。すると、

「はぁ?テメーなんった?なんったって聞いてるだろうが!!」

少年は苛立ったように私の制服を鷲掴みにして言う。

残りの2人が慌てて制止する。

「やめろって」

1人がそう言う。

すると、制服を鷲掴みにした少年が手を離す。

「こんな女ほっといて、そろそろ、行こうぜ」

もう1人の少年が言う。

もう1人の少年もそれに続くように言う。

そして、3人はここから離れようとする。鷲掴みにした少年は私を睨み付けながら後に続く。

私は、ひたすら不良を睨み続けた。

悔しかった。何も出来ない自分が許せなかった。


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