第5話 長崎剣、福岡剣

「やって来ました! カステラ!」

 ユリたちは長崎県にたどり着いた。

「カステラって? ああ~カステラのことか。」

 気づいて納得するクララ。

「食いしん坊でごめんなさい。」

 涙を見せて謝るユイ。

「どこにあるのかしら? カステラ屋さん。」

 これでもユリは長崎県のアイドル候補生を探している。

「グラバー園に行ってみましょう!」

「おお!」

 もし実写化されてハウステンボスが撮影不可だと頓挫するのでグラバー園に行くことにした。


「やって来ました! カステラ園!」

「違う! グラバー園だ!」

 ユリたちはグラバー園にたどり着いた。

「どこにカステラ屋さんはあるのかな?」

 ユリは周囲をキョロキョロ見回す。

「カステラいかがっすか! 美味しい! 甘い! やわらかいカステラですよ!」

 カステラ屋が呼び込みを行っている。

「見つけた! 私のカステラ屋さん!」

 ユリはカステラ屋を発見した。

「ふっふっふ! ふがいっぱい! 引っかかったな! 私は長崎のアイドル候補生の中村ハルナだ! おまえたちを倒してやる! いでよ! 長崎剣!」

 なんとカステラ屋さんは長崎のアイドル候補生だった。

「もうこのパターン嫌だ。トホホホ・・・・・・。」

 毎回の展開にユイは涙が出る。

「くらえ! よそ者! これが私の長崎剣流! 奥義! ヒノキだ!」

 ハルナは必殺の一撃を放つ。

「ギャアアアアアアー!」

 ユリたちはダメージを食らう。

「こうなったら私たちも戦うぞ!」

「おお!」

 戦う決意をするユリたち。

「いでよ! 東京刀!」

「いでよ! 沖縄剣!」

「いでよ! 熊本剣!」

 何も無い所から刀と剣を呼び出す。

「いくぞ! 私のカステラは誰にも渡さない! 東京刀! 秘剣! ユリカモメ!」

「沖縄剣! 奥義! デイゴ!」

「熊本剣! 奥義! ヒバリ!」

 ユリたちは必殺技でハルナを攻撃する。

「ギャアアアアアアー!」

 ハルナはダメージを食らう。

「クソッ! 負けるもんか! おまえたちを倒してアイドルになるのは私だ!」

 アイドルになりたいハルナ。

「違う! 夢を叶えるのは私だ! 私はカステラを食べるんだ!」

 カステラを食べたいユリ。

「いや。カステラは違うから。」

「そうそう。私たちはアイドルになるために全国行脚してるんだから。」

 ユイとクララはツッコム。

「そうだっけ。アハッ!」

 笑って誤魔化すユリ。

「どちらも無理だね!」

 そこに妖怪が現れる。

「何者だ?」

 とりあえずお約束で聞いてあげるユリ。

「私は世界征服を企む悪の軍団ジョーカーの妖怪精霊風だ! おまえたちの夢はここで潰えるのだ! いくぞ! 将精霊風・ボム!」

 妖怪の精霊風はなぜか爆弾で攻撃してくる。立派な風属性があるのに。

「キャアアアアアアー!」

 ユリたちは爆弾で吹き飛ばされてダメージを食らう。

「終わったな。アイドル候補生などたわいもない。ワッハッハー!」

 勝ち誇る精霊風。

「それはどうかしら?」

 ユリたちが現れる。

「バカな!? 爆弾の直撃を食らったはずだぞ!?」

 倒したと思っていたのでびっくりする精霊風。

「爆発の瞬間、剣衣に変身して助かったのだ!」

 変身っていいね。

「小癪な! もう一度爆破してやる! くらえ! 精霊風・ボム!」

 爆弾を投げる。

「皆の力を一つにして! 夢は見る物じゃない! 夢は叶えるものだ!」

「何ができるかじゃない! 自分がしたいことをしよう!」

「夢は誰にも奪えない!」

「後でカステラを食べさせてあげるわよ!」

 ユリたち4人のアイドル候補生は気持ちを一つに共通の夢に向かう気持ちが共鳴を呼ぶ。

「いくぞ! 妖怪! くらえ! これが私たちの都道府剣4連撃!」

 ユリ、ユイ、クララ、ハルナのコンビネーション攻撃。

「ギャアアアアアアー!」

 妖怪は倒された。

「正義は勝つ! ワッハッハー!」

 戦いに勝ったユリたち。

「カステラ贈れ。」

 ユリはハルナにカステラを所望する。

「その前に勝者ライブよ! もちろん一番貢献した私が歌わしてもらいます!」

 前に出るハルナ。

「4人で勝ったんだから4人で歌えばいいじゃない。」

「一人はカステラを食べてて再起不能だけどね。」

「いつの間に!?」

「美味しい!」

 ユリはカステラをいつのまに食べていた。

「じゃあ3人で歌いましょう。」

 こうしてユイたち3人で歌うことになった。

「美しい! 沖縄県!」

「熊がいっぱい! 熊本県!」

「遊びに来てね! 長崎県!」

 47人で歌うと恐ろしい歌になるだろう。もしアニメ化されたら曲はプロに任せよう。

「カステラ! 最高!」

 満足なユリであった。


「やって来ました! 福岡県!」

 ミカたちは真面目に福岡県にやって来た。

「福岡のアイドル候補生はどこにいるのかしら?」

 ミカたちは福岡県の地図を見る。

「福岡ドームとか天神じゃないんだ。福岡といえば太宰府天満宮なんだ。行ってみよう。」

 ミカたちは太宰府天満宮に行くことにした。

「きっとユリがいたら明太子明太子と騒いでいただろうね。」

「あり得る。ワッハッハー!」

 ユリをディスって楽しむミカたち。いない人のことを悪くいうのは現実と同じである。

「ユリって誰?」

 大分から参加のエリはユリを知らない。なんて幸せなのでしょう。

「爆食女王よ。」

「大食いモンスター。」

 さんざん言われる愛されているだろうユリ。

「大食いしてるところを見て見たいわ!」

 エリは少し感覚がズレていた。


「やって来ました! 太宰府天満宮!」

 ミカたちは太宰府天満宮にやって来た。

「こんな所にアイドル候補生はいるのだろうか?」

 半信半疑のミカたち。

「ワッハッハー! アイドル候補生でなくて悪かったな!」

 そこに妖怪が現れる。

「何者だ?」

 ミカは尋ねてみた。

「私は世界征服を企む悪の軍団ジョーカーの日本支部の3大幹部の一人! 酒呑童子だ!」

 現れたのは妖怪の酒呑童子だった。

「幹部キター!?」

 びっくり仰天のミカたち。

「九州に碌な妖怪もいない。そしてひよっこのアイドル候補生たちに負け続けている。こうなったら私が出てくるしかないじゃないか!」

 酒呑童子は憤りを覚えていた。

「ユリはどこだ? 東京での借りを返してやる!」

 酒呑童子は東京でユリを生かしてしまったことを後悔している。

「ユリはいません。」

「長崎でカステラを食べています。」

「だから私たちのことは見逃してね。エヘッペロ。」

 ミカたちはこの場から逃げようとした。

「逃がさんぞ! おまえたちを捕まえてユリたちをおびき寄せる人質にするのだ! 捕まえろ! 小鬼たち!」

「オニオニ!」

 悪の軍団ジョーカーの戦闘員の小鬼たちがたくさん現れる。

「こうなったら戦おう!」

「何もしないで捕まるなんて嫌だ!」

「私たちは夢と希望のアイドル候補生だから!」

 ミカたちは戦うことを選択する。

「いでよ! 鹿児島剣!」

「いでよ! 宮崎剣!」

「いでよ! 大分剣!」

 何も無い所から剣が現れる。

「いくぞ! 小鬼たち! 鹿児島剣! 奥義! ミヤマキリシマ!」

「宮崎剣! 奥義! フェニックス!」

「大分剣! 奥義! 豊後梅!」

 ミカたちは必殺技を放つ。

「ギャアアアアアアー!」

 小鬼たちを倒す。

「やったー! 小鬼たちを倒せたぞ!」

「やればできる! 私たちはやればできる子だ!」

「この調子で酒呑童子も倒しちゃおう!」

 ミカたちは勢いのままに酒呑童子に戦いを挑む。

「こい! 小童ども!」

 迎え撃つ酒呑童子。

「くらえ! 酒呑童子! 都道府剣3連撃!」

 ミカたちはコンビネーション攻撃で酒呑童子を攻撃する。

「フン。こんなもの蚊に刺された方が痛いわ。」

 酒呑童子はビクともしなかった。

「そんな!? 私たちの攻撃が効かない!?」

「私たちの夢と希望が負けた!?」

「なんなのよ!? あいつは!?」

 攻撃が効かないで動揺するミカたち。

「今度はこちらの番だ! くらえ! アイドル候補生ども! 必殺! 鬼に金棒!」

 酒呑童子は金棒で攻撃してくる。

「ギャアアアアアアー!」

 ミカたちは吹き飛ばされる。

「ユリ! 早く来い! 来ないとこいつらを殺していくぞ! ワッハッハー!」

 ミカたちは酒呑童子に捕まった。

「おっと私も勝者ライブを行わなければ。」

 もちろん酒呑童子であっても戦いに勝てば歌を歌うのである。

「鬼は内! アイドル候補生は外! なんて素敵な鬼が島!」

 細かいことは気にしない。


「これはいけない!」

 その様子を草葉の陰から眺めている者がいた。福岡県のアイドル候補生の服部ヒトミだった。

「私一人では助けることはできない。そうだ! 長崎県に仲間のアイドル候補生たちがいるって言っていたな。助けを呼んでこよう。」

 ヒトミは福岡県から逃げ出して長崎のユリたちの元へ向かった。

 つづく。


東京刀 ユリ  ユリカモメ

沖縄剣 ユイ  デイゴ

鹿児剣 ミカ  ミヤマキリシマ

宮崎剣 アスカ フェニックス

熊本剣 クララ ヒバリ

大分剣 エリ  豊後梅

長崎剣 ハルナ ヒノキ

福岡剣 ヒトミ ウグイス

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