第4話 熊本剣、大分剣

「やって来ました! からしレンコン!」

 ユリとルイは熊本県にやって来た。

「いいの? そんなことを言っていると妖怪からしレンコンが現れるわよ。」

 ユイの意見はお約束。

「どこに熊本県のアイドル候補生はいるかな? 熊本城か阿蘇山か?」

 熊本県の名称もそれぐらい。

「よし! ここは二手に分かれよう! 私はからしレンコン! あなたは溶岩ね!」

「すごい差・・・・・・。」

 こうしてユイとユリは別行動をとることにした。


「やって来ました! からしレンコン城!」

 ユリは熊本城にたどり着いた。

「どこにあるのかしら? 私のからしレンコン。」

 周囲を見渡すがからしレンコンはない。

「困った時は人に聞いてみよう。」

 意外と素直なユリ。

「すいません。からしレンコンを知りませんか?」

 女の子に聞いてみた。

「貴様!? なぜ私が熊本のアイドル候補生だと分かった!?」

 なんと女の子は熊本県のアイドル候補生だった。

「え? 私はからしレンコンの居場所を聞いただけですけど。」

 からしレンコン以外に興味はないユリ。

「私の名前は蒲島くらら! 熊本県のアイドル候補生だ! バレたからには返り討ちにしてくれる! いでよ! 熊本剣!」

 クララは剣を構えユリに襲い掛かってくる。

「向かってくるものは仕方がない。からしレンコンを美味しく食べるためにもお腹を空かせるか。いでよ! 東京刀!」

 刀を構え迎え撃つユリ。

「やるな!」

「お主こそ!」

 刀と剣を構えてお互いの力を感じ合うユリとクララ。


「やって来ました! 阿蘇山!」

 ユリは阿蘇山にたどり着いた。

「来たな! アイドル候補生!」

 その時、妖怪が現れた。

「待ち伏せ!? こっちは外れか!?」

 ユイのくじ運は悪かった。

「私は悪の軍団ジョーカーの妖怪の不知火! アイドル候補生! ここがおまえの墓場だ!」

 現れたのは妖怪の不知火。

「くらえ! 不知火・ボム!」

 妖怪の攻撃は爆弾を投げるしかないほぼ無いのであった。

「負けるもんか! いでよ! 沖縄剣!」

 何も無い所から剣が現れる。

「いでよ! 沖縄剣衣!」

 何も無い所から鎧が現れユイに装着していく。

「くらえ! 不知火! これが沖縄剣! 奥義! デイゴ!」

 ユリは必殺の一撃を放つ。

「ギャアアアアアアー!」

 不知火は倒された。

「こっちじゃなかったということは食いしん坊の方に熊本のアイドル候補生が!?」

 その通り。

「大変!? 熊本のアイドル候補生がユリに食べられてないといいけれど!?」

 また、その通り。


「くらえ! 東京刀! 秘剣! ユリカモメ!」

「なんの! 熊本剣! 奥義! ヒバリ!」

 ユリとクララの必殺技が激突する。

「いいの持ってるじゃない。」

「そういうあなたこそ。」

 二人の実力は同じくらいで勝負は中々つかなかった。

「クンクン。もしや!? あなたが持っているのはからしレンコン!」

「この地獄鼻め! なぜ私がからしレンコンを隠し持っていることに気づいた!?」

 ユリの嗅覚は食べ物限定ですごかった。

「そのからしレンコンをくれるなら、私の負けでもいいわよ。」

「はい。あげる。」

 ユリはクララからからしレンコンを貰った。

「美味しい! やっぱり本場は違うわね。レンコンに歯ごたえがあるわ!」

 ユリは美味しくからしレンコンを食べている。

「私の勝ちだから歌わしてもらうわよ! 熊本! 良いとこ! 一度はおいで! ヨイヨイ!」

 クララはウイニング・ライブを行う。


「ユリ! 熊本のアイドル候補生を食べちゃダメよ!」

 熊本城にたどり着いたユイ。

「クララの意気地なし! 一人でもからしレンコンを作るって言ったじゃない!」

「待って! ユリ! 私、がんばるから! 一人でも美味しいからしレンコンを作ってみせるから!」

 寸劇始まり一般大衆の人だかりができていた。

「心配して損したわ。はあ~あ。」

 ユイは走り疲れた。

「やっぱり今時のアイドルは歌だけでなくお芝居もできないとね。」

「どうしてだろう? あなたとは気が合うわ。」

「ワッハッハー!」

 クララは仲間になった。

「まさか!? クララも食いしん坊じゃないでしょうね?」

 疑うユイ。

「まさか! 私をユリと同類にしないで! 私はまともな人間よ!」

 一味違って良かったクララ。

「良かった。クララが普通で。ホッ。」

 安堵するユイ。

「では質問です。次に進むのは明太子と羊羹とカステラ。どこがいいでしょう?」

 クララが質問する。

「ユリと同類だ!?」

 ユイは弾けて飛んだ。

「カステラ! カステラにしましょう! 甘くておいしいカステラ!」

 こうして次に長崎に向かうことになったユリたちであった。


「やって来ました! 大分県!」

 ミカとアスカは大分県に着いた。

「どこにいるのかしら? 大分のアイドル候補生は? 別府温泉に行ってみよう。」

「やったー! 温泉だ! わ~い!」

 二人は別府温泉に行くことにした。


「やって来ました! 別府温泉!」

 ミカたちは別府温泉にやって来た。

「クロール! 平泳ぎ! バタフライ!」

 温泉で泳いでいる迷惑な女の子がいた。

「キャアアアアアア! 怖い!」

 ビビるミカ。

「なんなの!? あの子は!?」

 驚くアスカ。

「私の名前は広瀬エリ! 大分県のアイドル候補生だ! 油断させてからの! いでよ! 大分剣! 奥義! 豊後梅! でやああああー!」

 エリが攻撃してくる。

「しまった!? ギャアアアアアアー!」

 不意を突かれたミカたちは攻撃を受けてしまう。

「見たか! 私の勝ちだ! ワッハッハー!」

 勝ち誇るエリ。


「それはどうかな?」

 そこに妖怪が現れる。

「何者だ!?」

 エリは尋ねてみた。

「私は悪の軍団ジョーカーの妖怪の別府温泉だ! おまえたちを倒してやる! くらえ! 別府温泉・ボム!」

 妖怪別府温泉が爆弾で攻撃してくる。

「ギャアアアアアアー!」

 エリは吹き飛ばされてしまう。

「大丈夫?」

「私たちと一緒に戦おう。」

 ミカとアスカがエリに救いの手を差し伸べる。

「いいのか? 私は卑怯な策を講じて、あなたたちを襲ったのに。」

 エリは自分の行いを恥じていた。

「昨日の敵は今日の友ってね。」

「そうそう。それにユリとユイも頑張っているだろうから、私たちも負ける訳にはいかない。」

「優しいな。おまえたち。よし! 一緒に戦おう!」

「おお!」

 エリは仲間に加わった。

「こい! アイドル候補生が3人になった所で我が爆弾で吹き飛ばしてくれるわ!」

 妖怪の別府温泉が爆弾を投げまくる。

「いでよ! 鹿児島剣! 鹿児島剣衣!」

「いでよ! 宮崎剣! 宮崎剣衣!」

「いでよ! 大分剣衣!」

 ミカたちは剣と鎧を装備していく。

「やったか?」

 ドカーンっと爆弾が大爆発を起こす。

「これぐらいでアイドルは負けたりしない!」

「夢は爆破されるもんじゃない!」

「夢は叶えるものなんだ!」

 ミカたちは剣衣に身を包み無事であった。

「なに!? おまえたちは化け物か!?」

 思わず妖怪の別府温泉も驚いた。

「いくぞ! 妖怪! 鹿児島剣! 奥義! ミヤマキリシマ!」

「宮崎剣! 奥義! フェニックス!」

「大分剣! 奥義! 豊後梅!」

 ミカたちは必殺技で攻撃する。

「ギャアアアアアアー!」

 妖怪、別府温泉はダメージを食らう。

「今だ! とどめの都道府剣3連撃!」

 ミカ、アスカ、エリはアイドル候補生の友情の一撃を放つ。

「悪の軍団ジョーカーに栄光あれ! ギャアアアアアアー!」

 妖怪、別府温泉は倒された。

「やったー! 私たちでも妖怪を倒せたよ! わ~い!」

「やればできるのだ! ワッハッハー!」

「みんなで戦うって楽しいね。アハッ!」

 勝利の余韻に浸るミカたち。


「三人で仲良く勝利のライブを行いましょう!」

「おお!」

 ミカたちは剣衣を脱ぎ捨てライブを行う。

「素敵な鹿児島!」

「やればできる宮崎!」

「熱くても平気な大分県!」

 ステキな歌詞の歌が歌われた。

「次はいよいよ九州最後の要所! 福岡県ね!」

「いくぞ! 明太子!」

「それはユリちゃんだよ。」

「あ、そっか。エヘッ!」

「ワッハッハー!」

 ミカたちは福岡県を目指すのであった。

 つづく。


東京刀 ユリ  ユリカモメ

沖縄剣 ユイ  デイゴ

鹿児剣 ミカ  ミヤマキリシマ

宮崎剣 アスカ フェニックス

熊本剣 クララ ヒバリ

大分剣 エリ  豊後梅

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