夢の2日間

始まり

恐る恐るメッセージを開いた。…まさかバレたのか。そんな考えのが脳裏に浮かぶ。しかしそんな内容では無かったのだ。

「ねえ一希明日レポート終わらせるために図書館行かない。」

僕はついに目が腐って文字が見えなくなったと疑って鏡を見た。いや至って普通だ。じゃあ頭がが狂って脳細胞が文字を読めなくなったとか。いや普通に読んでもそうなる。…何て返せばいいのだろうか。

既読をつけてしまった以上どうにしないと。しばらく思考停止状態に陥ってしまった。また嫌われるのが嫌だから。考えているがいい案が出てくれない。電話が来た。…こんな忙しい時に。しかし名前を見てすぐに手に取った。

「もしもし。メッセージ見てくれた。」

その声は久々に聞いた昔の朱芳理の声だった。聞いても凍てつかない優しい陽だまりのような声。

「あうん。あっそうだ。大丈夫だった。その脱水症状とか。今日暑かったから。」

少しだけ体調が気になったので聞いた。あの例の一件で朱芳理に何かあったら申し訳ない。

「大丈夫だったよ。うん平気ありがとう。それより明日大丈夫そう。」

「大丈夫だよ。何も問題ない。」

「じゃあいつものように市民図書館で、11時からね。」

今の朱芳理は休日にかなりな頻度で僕と図書館に行ってる設定らしい。その設定が出来ることならば長く続いてほしいと思って何気ない世間話をしていた。

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