第7話

話の情報量が多すぎてついて行くので精一杯だったが、まとめるとこの世界には500年くらい前から亜人という存在がいて最初の亜人が今現在目の前にいるシャロンさんと言うことらしい。

「だいぶ捲し立ててしまったがここまでは理解して貰えたかな?」

「は、はい。なんとか。」

慌てて答えたが本当にギリギリと言ったところだが。

「理解が早くて助かるよ。このまま亜人の歴史について語るが大丈夫かな?」

自分のことについて気になるところではあるがひとまず頷いておいた。

「では、続きを。日本に辿り着いた僕はその身を隠しながら生き延びていた。僕が日本についてしばらくしてこの日本でも亜人が生まれた。たまたま私の近くで生まれたのか、或いは私に共鳴するように生まれたのかは分からないが、私の近くで亜人が生まれた。その子が迫害されうることは目に見えていたので私はその子を攫うようにして連れ去り、匿い、育てた。そんなことが何度かあり、私の周りに10人ほどの亜人の集まりができた。亜人にも色々種類がいて驚かされたが、とある法則があった。それはその地域に根付いている妖や霊などに基づいた亜人であるということだ。イタリアで生まれた私が龍の亜人であることは今なおあまり関連を感じないが私の周りに集まった亜人達はみなその土地に縁のある亜人だった。そこから一気に時は流れ200年ほど経った頃亜人の総数が増え私は日本の亜人たちのトップのような存在になっていた。“日本の”と言ったのは私が生まれたイタリアを含め世界各地で亜人の存在が確認されていたからだ。と言っても当時の亜人の総数は地球の人口の1000万分の1くらいの割合だっがな。そして亜人が増えたことで亜人の組織が世界的に形成された。各国で超少数であった私達は互いに手を取り人間社会から隠れながら生きていく道を選んだ。このことは亜人がいる各国のごく僅かな重鎮のみが知っていることだった。各国は私達と互いに干渉し合わないということを条件に互いの生活を保障した。但し、それは今現在まで続いていることではない。人間の発展、地球の開発に伴い私達が隠れて生きていくことが難しくなった。結果今は人間社会になんとか溶け込みながら生きていく方法を取っている。そうなったことによって明確になった亜人の生態があった。それは生死に関わることで、基本的に2つ。1つは亜人の子を産んだ母体はその後すぐに息を引き取るということ。亜人という人よりも強い生命エネルギーを産む代償なのかメカニズムまでは分かっていないが兎に角母体は子の温もりを感じることなく死んでいく。そしてもう1つ、亜人が子を残した場合も同様に母体の場合は出産直後、父親である場合はその妻の出産から2、3時間後には命を落とすということ。これまたどういうメカニズムなのかは定かではないがルールのように例外はなく皆そうだった。結果人口の減少ペースが早まり地球の人口に対する亜人の総数が10万分の1ほどとなった。」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る