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「あっはっはっは!」


 いきなり、史奈が大声で笑い始めた。


「!?」


「はっはっは……あーっはっはっは!」


 史奈の哄笑は止まらない。


「ふ、史奈……?」


「あぁ、おかしい……あんたねえ、私をあれだけ何度もいじめておいて、私があんたのことをずっと好きでいる、とでも思ってたの?」


 ようやく笑いを収めた彼女が、あざける様に言う。


「え……」


「私があんたのせいでどんなにつらい思いしてきたか、分かってんの? 分かってないよね? 分かってたら告白なんてできるわけないもんね?」


「……」


 早口でまくし立てる史奈に対して、俺は言葉を失ったままだ。


「この際だから私も、今までずっと言いたくて言えなかったことをあんたに言ってやるわ。私はね、あんたのことが、大嫌い。付き合うなんてもってのほかよ」


「……!」


「さよなら。二度と私に近づかないでね」


 そう言い残し、史奈はすたすたと歩き去っていった。その姿がにじみ始める。


「う、うぐっ……」


 嗚咽が漏れる。俺の両目から、涙が溢れて落ちた。

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