7話 領都へ・続
流石にこの三人のみで決めたままではいけないので報告する必要がある。ちなみに一緒に行くのは決定事項だ。
「父さ…」
まだ話してるよ。仕方ないとりあえずソフィア達の兵士には伝えておこうと思ったがソフィアとセリナが兵士と話してるおそらく伝えたのかな?
『いい…か?』
『ええ、もう…したわ』
『わ…ました。…に戻りま…う』
『ちょ…待って』
『なん…しょう?』
『あっ…人たちと…に行くわ』
『はあ、わかりました』
うん。全部は聞こえないけど。それっぽい会話も聞こえたし間違いないっぽい。ならこっちの兵士に話しとこうかな。いや無駄か。早く話終わってくれや。
「おや?そろそろ行かないといけないのでは?」
「そうですな。ちと長話をしすぎましたな」
それから数分が経った頃ようやく話が終わった。ようやく終わったか。
「お前らすぐに行くぞ」
「父さん、ソフィアたちも一緒に来るって」
「わかってるぞ、すぐに行こう」
分かってたみたいだな。まあこんな状況で引き返さない方がおかしいか。
ー数時間後ー
そろそろ夕方になるかならないかぐらいのタイミングで領都に着いた。今日はいろいろあって疲れたし早く寝たいな。街並みは石造の道が引いてあって綺麗に建物が並んでいたこの街を作った人は計画性のあった人なんだな。壁も石で作られていてその上から魔法で防御力を上げていた。並大抵の攻撃は通らないだろう。それくらい強固だった。
「おかえりなさいませご主人様、そしてようこそいらっしゃいましたお客様方。私は執事のセバスチャンでございます」
領主館にはいると執事のセバスチャンという人が出迎えてくれた。ちなみにここにいるのは俺とアンジュ、シルフィ、アリス、父さんと母さん、ソフィアにセリナだ。護衛の兵士は町についてからはだんだん少なくなっていき、最終的には領主館に入るところで分かれた。
「まだ夕飯までは時間がありますので部屋へ案内いたします」
案内してもらえたのは大きな部屋だった。一人一つの個室があるようだ。しかしシルフィとアリスは2人で一つらしい。当然ちゃ当然だ。シルフィたちは父さんからしたら完全に赤の他人だからな。身内と客で格差があるっぽいな。
部屋の中にはベットなど普通の部屋だった。ベットはとてもフカフカで前世のベットと比べてもあまり違いはない。大きさは大人2人が寝ても問題ないような大きさだ。そのほかにはクローゼットなどもあったし、ベランダもついていて中庭が見える。この屋敷はどうやらHの形になっているっぽい。だが中庭側の方が出っ張りが明らかに長い。出っ張りの間に中庭が広がっていた。
それにしてもこれくらいの部屋がみんなと同じようにあるのだろうか?シルフィたちは2人で一つだったからこれよりも広いと思うが。いやもしかしたらこの部屋よりも小さいかもしれない。明らかに大きいのだからこの部屋の大きさなら2人ぐらい一緒にいても大丈夫だ。同じなら心配することはないが…。まあ今考えても仕方ない。
部屋には大きな机がありその中には何かが入っていた。
「これは…?」
大賢者をもってしてもわからない黒色の何か。形的には球で手触りはすべすべだった。これが魔核か?いやそれなら大賢者でわかるはずだ。だとしたらなんだこれは?
コンコン
その時ノックオンが響いた。俺は咄嗟にその石?を
『ご主人様がお呼びです』
ノックしたのは知らない執事だった。ご主人様?それって父さんだよな?なんだろうか?
「わかりました。今行きます。父さんは今どこに?」
『リビングでございます。案内しますから出てきてください』
そう言われたため俺はドアを開ける。
「ではついてきてください」
俺は無言でついていく、それにしても何のようだ?俺は特に用事はないし久々にゆっくりしたかったんだが、馬車といっても伯爵のだからまだいいけど揺れがひどくてゆっくり出来なかったんだよね。これから馬車もっと乗るだろうし早いとこ慣れなくちゃな。
「ご主人様連れてきました」
リビングのテーブルにいるのはなぜか父さんだけではなくソフィアもいた。この2人って何か共通事項あったか?いやここから向かってきたよな。だったら知り合いでもおかしくはないから。
「きたか、まあ座りなさい」
促されたので俺は黙って座る。対面には父さんがいて隣にソフィアがいる状態だ。
「単刀直入に言おう。君はソフィアと結婚してもらう」
…は?………はああああああああ?!
どうゆうことだ?なぜそうなる?
「どうゆうことですか?」
「戦略結婚よ。ちなみに私は結婚するのは反対じゃないわ。…あんたなら他の男と違うし」
「え?最後なんて言った?」
最後の聞こえなかったな。いやそれよりもなんで反対しないの?お前は俺の何を知ってるんだ?たった数日過ごしただけじゃねえか。いやまあ公爵家と繋がりができたらいいなとは思ったよ。でもここまで強力なのはちょっと…。
「拒否権は?」
「ない」
そう言ってバッサリと切り捨てる父さん…いやクソ親父。かああああ…なんでそうなるかね?強制的かよ。これは諦めるしかないか。すまん澪、何故か10歳で婚約者持ちだよ。いやまあ貴族としては遅いのかもしれないが。
薄々思ってたよ。こうなるんじゃないかって。流石にここまで強烈なのは予想出来なかったが。まあ貴族って早い歳に婚約者とか許嫁とかいるしね。そう考えたら俺がおかしいのかもしれない。都に入ったら都に従えとかいうし。前の常識はしてたほうがいいのかもしれないな。この世界では平気で人が死ぬし。俺も既に何人か殺してるしね。
我ながら毒されてんなとは思う。まあそんなことよりもだ。拒否権無しか。だが悪いことでもない公爵家となるといろいろ融通利くだろうし。…それにソフィア可愛いし。やっぱ顔より性格とかいうけど、最低限の顔が欲しいしね。そう考えるとソフィアはすごい美少女なのだ。
まあ何故か俺の知り合いの女の子は一部を除いて美少女だし。え?母さん?少女じゃないから一部を除いてってことだよ。何歳かは俺も知らん。聞くと殺される気がするから聞いてない。あれだよほら、やっぱ女性に年齢聞くのとか体重と同じタブーだからね。まあ30は確実に超えてるだろうけど。もしかしたら4j…ゲフンゲフン…。これ以上はやめておこう。
まあ断る理由が説明できんし、澪のためとか言っても信じるか?まあそもそも拒否権ないから愚問なんだよね。
「そうですか。まあ断る理由ないですしいいですよ」
俺がそう言った瞬間ソフィアが目をキラキラさせていたように見えたが…。ないよな?流石に公爵家の力でねじ伏せたとかないよな?まあ前世でモテてないのに今世でモテるのは意味不だし、そんなわけないか。
誰だよサッカー部のキャプテンモテるとか言った人。モテねえじゃないかって当時なってたし。
「そうか、なら同じ部屋でいいな」
ん?んんんん?ちょい待ちなんて言った?いや聞こえなかったわけじゃないよ。ただその言葉が信じられない。同じ部屋でいい?同じ部屋で過ごすの?プライベートないんですか…。まだ年頃じゃないしする必要はないがあと3年くらいすればする必要があるものがあるわけで。その時はどうするんだ?本番ってこと?んなわけねえか。
「え?ベットひとつしかないけど?」
問題はそこである。俺の部屋はベットが一つしかないのだ。あれかなソフィアの方は二つあるというオチかな。
「なにいってる?同じベットに決まってるだろう」
はいアウト。お前が何言ってんの?このクソ親父。同衾しろと。まあまだこの歳だしまだいいけどさあ。澪に言ったら怒られそうだなあ。やばい最悪殺されるかも。流石にないか。ないよな…?俺だったら…まあキレるわな。死んだと思った彼女が異世界転生してて違う男と同衾する。
キレるなこれ。
「いや流石にそこまでは…」
「許嫁になったんだし同じ部屋で同じベットでいいだろ。向こうからの許可もある。話はこれで終わりだ。俺はまだ仕事があるからな」
そういうと立ち上がり俺が来た方向とは違う方向に抜けていった。
どうすんだこれ。諦めるしかないのか?悪いことではないと思う。ただし前世に彼女がいなければ。まあこれはあれだ。とりあえず放置…出来ねえわ。もう夕方だしこれから風呂入って寝るんだろ?どうすっかなあ…。
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実は黒い何かとりあえず伏線入れたろって思って何にするか考えてなかったり。
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