16話 みんなで魔物退治
─半年後─
あれから半年が経った。変わったことといえば俺とアンジュがそれぞれ8歳になったのと7歳になったのだ。
今はみんなで俺の部屋に集まっていた。
「明日に魔物退治しに行こうか」
「いよいよだね」
「緊張する」
「まあ俺は何回か行ったことあるからなんか質問あったら言ってくれ」
「何か持ってくものってあるの?」
「武器と昼ごはんだけ?」
「まあそれだけでいいと思う」
「昼ごはんは
「ん?
「生活魔法は他の魔法と違ってレベルが上がりにくいんだよ?」
「ああ、だからまだあまり上がってなかったのか」
「まあ後もう少しだけどね」
「お兄ちゃんは魔物はすぐ見つけられるから、すぐ帰れるんじゃないの?」
「まあできるけど、なるべくレベルを上げておきたいからな」
「全部倒しちゃわない?」
「そんなに少なくないだろう」
流石に1日でいなくなるほど倒せるかと言われれば否である。魔物なんかは何もないところでも魔力から生まれるからな。もちろん繁殖もするけど。上位種だと繁殖能力が下がると言われている。まあこれは蛇足だな。
「そうなの?村の周りにはあんまりいないんじゃないの?」
「柵の外には見えないけど」
「ここら辺にいるのはスライムとゴブリンだからな。俺たち人間にビビるんだよ」
これは前世の世界も同じで熊とかも人間にビビるらしいし、おかしなことではないだろう。
「そうなの?」
「そうだぞ。まあ刺激すれば攻撃してくるけどな」
「まあそれはどの生物も同じじゃない?」
「そうだな」
まあ攻撃してこないのならゲームの友好モブぐらいだろう。ここはゲームじゃないから襲ってくると思う。
「じゃあもう質問はないか?」
「スライムとゴブリン…だっけ?その特性みたいなのは?」
「スライムは物理攻撃が効きにくいけどここら辺のような最下級のスライムなら魔法で余裕に倒せる。ゴブリンはまあ人型だから慣れるのに時間がかかると思う。実際のところは人それぞれだけど。スライムは最下級のは何も落とさない。経験値だけだな。ゴブリンはまあ持っている剣とあとはたまに持っているお金、最大は今のところ石貨5枚だ。平均は2〜3枚ぐらい」
「ゴブリンってお金持ってるの?!」
「多分どっかで拾ったか襲ったんだと思う。価値はわかってそうだよ。どっかの国はゴブリンの村と取引してるし」
「意外と知恵があるんだね」
「まあ人型の生物は意外と知恵が高いからな」
「「「へぇ〜」」」
「じゃあ他はないか?」
なさそうだな。じゃあそれなら。
「では今日はもう解散、明日に備えておけよ」
「「「わかった《わ、よ》」
─1日後─
「「行ってきます!」」
俺はアンジュと共に集合の広場へと向かっていた。魔物退治は俺が先輩だからちゃんとリードしないといけない。まあ前の世界は15歳まで生きてたしそこら辺はしっかりしないとな。
「お兄ちゃんいよいよだね」
「ああそうだな。まあ俺にとっては何回も行ってるし特に不安はないけどな」
「慣れてるのもどうかと思うよ」
「それもそうだな」
そんな会話をしつつ集合場所に着くともうみんな揃っていた。
「今日はどこに行くの?」
「森を探索しようと思う」
「お兄ちゃんは無属性魔法の魔力探査が使えるんじゃないの?」
「使えるけど今日は初日だからな。のんびりと行こう」
「それもそうですね」
「じゃあ行くぞ」
─村の門の前─
「ここからは魔物が出てくるかもだから気をつけるんだぞ」
「「「うん」」」
少し進むと草が動く音がした。スライムは…まあ多分音がするやつは最下級のやつだけっぽいからスライムかゴブリンのどちらかだな。
「ガアアア」
ゴブリンだな。
「ゴブリンだぞ、1匹だけっぽいな」
「初退治はゴブリンみたいだね」
「ゴブリン1匹なら大丈夫だと思うが…最初は手本があった方がいいだろう」
今回は手本を見せるのが前提なのでみんなは強化魔法が使えないから、それに合わせてやらないとな。具体的には首を切り落とすとかは無理だからまあゴブリンは魔核がないから心臓に当てるか。確かあそこらへんだな。
ザシュと音がして貫通した。場所はまあまあ、あってるのかな?
《無臭化》
多分これで幾分かはマシになっただろう。まあ見た目は許せ。
「こんな感じだ。まあ最初は慣れないだろうから、慣れるまでは俺のいないところでは討伐しようとしないでね」
「グロい…」
「慣れるのこれ…?」
「俺が慣れたし」
「慣れていいやつなの…?」
「さあ?冒険者もいっぱいいるしいいだろう。女冒険者も結構いるし」
その次はまたゴブリンだった。まだみんな慣れていなかったために俺が退治した。ちなみにドロップアイテムは一体目は錆びた剣のみお金はなかった。二体は錆びた鍬と石貨1枚。ないのと同じぐらいだな
そこから少しするとスライムが見えた。これはまだこっちに気づいていないっぽいな。
「スライムがいるぞ」
「え?どこどこ?」
「あそこだ」
「あ、ほんとだ」
「誰が行く?」
「今回は私が行くよ」
そう言ったのはアンジュだ。彼女の魔法は火魔法だな。上級まではいかなかったがもうそろそろ上級にいくぐらいはいっている。
「今回は
「ああ」
今回は最下級のスライムだから何も落とさないのだ。レアドロップーーなぜドロップするときとしないときの違いはわからないがたまたまドロップするものーーでスライムゼリーがあるが一つ上のレッドスライムなら必ず落とすしな。だからあまり高く売れない。強化スライムゼリーや高級スライムゼリーなら高く売れるがただのスライムゼリーなどいらない。ちなみに燃料として使うらしい。
《███ ██ ███ ██ ███》
今アンジュがいってるのは魔法語というものだ。誰が見つけたのかははっきりしていないが一番有力なのはグレイという男だ。名前しかないのは苗字すらも存在しない時代だったからだ。前の世界で言うところの紀元前とか草創期とか、とてつもない昔でもはや神話にすらなる時代だ。
まあそんなことはどうでもいい。どうやら詠唱が終わったようだ。
《█████ ███ ██
あったたな。スライムは火に弱いのかよく燃える。
「当たった!」
「燃えてるけど…大丈夫なの?」
「ドロップアイテムはスライムゼリーだから大丈夫だ」
「え?じゃあいるものなんじゃないの?」
「まあドロップするときとしないときがあるからな。そもそもそんなにいるものじゃないし」
「燃料で使うんじゃないの?」
「燃料としてはただのスライムゼリーだと木の方が効率いいからね。
それにしても手答えがないな。まあスライムだったら人型じゃないし血も出ないからゴブリンは俺が相手してスライムを相手させようかな。
「じゃあ次行こうか」
「何も落ちてないね」
「まあレアドロップだからね」
「行くよ」
「「「うん」」」
その次はゴブリンだったので割愛する。ドロップは錆びた斧だ。ここまで被ってないと逆に不思議だな。
ザサと草のうごく音がした。音は後方の方だ。
「スライムだよ!」
どうやらスライムらしい。
「スライムは倒せるよな?」
「倒せるけど…詠唱時間がないよ?」
「俺が止めてるよ」
《
そう言うと謎の拘束具が出てきてスライムを止めた。
「キュウウ?!」
…意外と可愛い声で鳴くな。まあいいか。
「じゃあ私が!」
そう声を出したのはシルフィだ。シルフィは土魔法が使える。…土木工事は得意だな。
てゆうか
「土魔法はまだ戦えないけど?」
そう土魔法は攻撃魔法が上級から出てくるのだ。出てくるのは細胞変換と
「これで倒せるよね」
何をするつもりだ?
《変化》
なるほど押しつぶすのか。物理魔法的なあれだな。
「キュウゥゥゥ…」
結果的には成功した。ドロップは何もないか。まあレアドロップだからな。
そのあとはスライムをアリスが倒して、もう一周したところで日が暮れた。
その間にもゴブリンが何体か来たが流石に一日目では慣れなさった。ドロップはゴブリンが錆びた剣×2錆びた鍬×4錆びた斧×16石貨10枚。石貨10枚は1000円だから子供の小遣いくらいのものだ。
初めてにしては上出来だろう。明日はもっとやりたいものだ。
「そろそろ帰るか」
「日が暮れてきたね」
「これ以上は危険だからな」
前の世界でもそうだったが夜は危ないのだ。何より暗闇になるのが危険だ。強化魔法の暗視があるが秒単位で消費するから常時発動はできない。使い勝手の悪い魔法だ。
「空間移動で帰るぞ」
「「「うん」」」
《空間転移》
転移した場所は村の門の前だ。魔力は…だいぶ減ったな。多分人数ごとに増えていくんだと思う。
そのあとは帰って寝た。
ラストステータス
名前:ボラン
種族:人族
性別:男性
年齢:7歳
Lv:237《次のLvまで235,6》
体力:1,500,000/1,500,000
魔力:10,000,000/10,000,000
ランク:なし
称号:バルクリ村の少年 異世界からの転生者 《神の代
理人》 迷宮支配人ダンジョンマスター
武術:剣術 聖級Lv:5
魔法: 火魔法 初級Lv:5
水魔法 上級Lv:12
風魔法 中級Lv:1
土魔法 上級Lv:6
雷魔法 上級Lv:6
治癒魔法 中級Lv:2
毒呪魔法 初級Lv:1
解毒魔法 初級Lv:1
結界魔法 初級Lv:1
召喚魔法 無級Lv:1
防御魔法 中級Lv:3
生活魔法 聖級Lv:23
強化魔法 中級Lv:9
無属性魔法 上級Lv:3
スキル:大賢者Lv:1
創破者Lv1
変質者Lv:1
初見殺しLv:1
未来予知Lv:1
正解者Lv:1
神速再生Lv:1
複数起動Lv1
生存者Lv:1
時空操作Lv:1
スキルポイント:205
加護: 《創造神の加護 Lv:10》
武神の加護 Lv:10
魔法神の加護 Lv:10
智恵神の加護 Lv:10
商売神の加護 Lv:10
生死神の加護 Lv:10
自然神の加護 Lv:10
技能神の加護 Lv:10
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魔法語は日本語に翻訳不可能という設定なので███ ██ ███ ██ ███とか█████ ███ ██火球(ファイヤーボール)とかこんな感じになりました
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