駅前カフェで森田さんを発見

 私はこの日懲りずに元カレと職場付近でランチをした。


「こないだはごめん」

「あぁあれは、ビックリした。いきなり ホームで」

「せっかく酔わせたのに、すぐ帰ろうとするから」

「は?」

「嬉しかったんだ 真琴が独身だし、フリーだし、ワンチャンありそって。だからさ時々会おうよ」

そんな.....私はただの懐かしさで。

「時々、ランチだけで!頼みます」

「えー、夜飲みに行こうよ。次こそは持って帰るから!」

「またまた」

カズは冗談ばかりだから、何がほんとか分からない。まっどっちでもいいや。


私はもうすぐ来るゴールデンウィークの為、女3人旅を計画していた。

沖縄に。

そのうちの一人がお茶しようと連絡来たので大阪駅手前のカフェに入った。


席について、スマホを取り出し顔を上げた私の視野に入ったのは

アイスカフェラテらしきものを持ってうろうろ席を探す森田さん。


「森田さん!」

私は声をかけた。こちらを見た森田さんは迷わず私の前に座った。あ、由美子が来るけど....まいっか。


「森田さん!生きてましたか!」

あっ私思わず酷い......

「あ、はいっ。ご心配おかけしました」

前より元気そう。青白いからただの白いくらいにはなった。


「仕事ですか?」

「あ、はい。やっと決まって」

「営業?」

「あ、はい。やっぱりデザインやPCに張り付くのは大変で」

「そうですよね」


あ、由美子が来たが何やらいつもとは違う様子。


「真琴ーまごどーっ......」

「えっちょっとちょっと なんで泣いてんの?!」

「別れた。フラれた 女作りやがった 年上の ババアにもってかれた」


由美子に押しやられ奥まで寄って小さくなって座る森田さんもびっくりしてる。


私この二人同時に相手するほどトーク力ないぞ.......。


「あっ、僕はか か」


「6年だよ 6年!私の時間返してよーっ」


「僕はあの...」


「誰?」


「あ、森田です。真琴さんの職場に居ました 者.....です。」


「はあ。」


「はじめまして.....」


森田さんを見てなぜか泣き止んだ由美子は、

「沖縄なんか行かない!婚活 婚活するぞ 一緒に!真琴!」


「え?婚活って、また急だな...」


私達は森田さんを置いたまま話をした。


森田さんと私は帰る。


「いいですね。真琴さんはいろんなお友達いて」


「はは、みんな学生時代の腐れ縁みたいな仲ですけど」


「.....ぼ 僕なんてきっと誰も覚えてくれてませんよ」


「そうですか?なかなか一度会ったら忘れませんけど。私は忘れません。」


こんなインパクトあるひと、私は初めてあった。仕草や話し方とルックスが真逆。

きっとカズみたいに話せたら、今頃モテモテだろう。


「森田さん、今度食事にでも気軽に行きましょ」

「あ、はい。いいんですか?僕なんか」

自然と誘ってしまった。

女の子誘うみたいに....。


家に帰り、ヨーグルト食べながらあることに気づく

あっ、私森田さんの連絡先とか知らないしっ。


家近いしまたばったり会うだろう。

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