後に出会う強敵と言う設定
何駅か跨いだ街に大きめの武道場があった。観覧席があって
週末になると柔道の大会が行われる場所だ。
観覧席から俺は腕を組んで同年代、別の地区の中学生の試合を見る
(ちなみに柔道は体育でやったぐらいだし帰宅部で実力も無い)
だけど、素早く判断して的確なアドバイスを出すポジションに憧れていたので
「いいよ!そこで脚を使って、今のいいよ!」
とエールを飛ばしていた。
だが、そんなアドバイザーの俺は帰り際に
「アイツだろ?さっきうるさかったの・・・」
とヒソヒソ声で囁いて来る声を聞く。聞かれてた・・・
俺はイキってお小遣いで買ったブカブカのジャージで体格を誤魔化し
常に摺り足で歩く実戦派と言う脳内設定だったのだが
なんかナメられてる気がしたので
「ジョーホク(架空の学校の略称)のマサ(そんなヤツ知らん)
とやった時の
と意味も無く天井を見上げて踵を返して立ち去った。
あの頃、のちに高校インターハイで出会う強敵と言う
謎の自信を秘めたキャラクターを演じる事がたまらなく好きだったのだ。
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