第3話

貸し切りバスに乗り山菜採りに向かう


毎年恒例のローカル町内イベント山菜採り

瑛太の家族も私の家族ももちろん強制参加


山に入るというのにTシャツ短パンにサンダル

やる気の無さマックスな瑛太

かと思えば、しっかり大きなリュックを背負っている

瑛太のお腹が出ていれば完全にあのお方だ


ビニール袋と大まかなルートが書かれた地図を渡され、いざ解散


ワラビにゼンマイ、コシアブラ

採れる、採れる


一旦昼を取るために集合場所まで戻る

今回は配られた弁当で抽選があるらしい

帰りのバスで発表とのこと


またそれぞれの目的のルートに入る


しゃがんでいる瑛太を見つけた

それなりに山菜を探しているようだ

瑛太の家族も4人家族でそんなに食べられるのか?というほど、袋が破裂しそうになっている

瑛太の袋は…まだ萎んだまま



ウチの家族も皆袋に入りきらないほど採れたので山を早々に下りた


集合時間になり瑛太家族も現れた

袋から溢れた山菜を手に日焼けして満足そうな顔をしている

瑛太はというと…何か白くて長い枝のような物を片手に持っている

袋は相変わらず萎んだまま

瑛太が採取したのは鹿の角らしい…


何を採取しに来たんだろう


毎年生え変わるとはいえ、山の手前で見つかることは稀だそうだ



バスの中でお弁当蓋にふってあった番号による抽選が始まった

町内会長さんの口による渾身のドラム音のあと発表された



どうやら瑛太が当たったらしい


町内会長が後ろ手で隠しおもむろにどうだと言わんばかりに差し出したのは…




瑛太が山菜の代わりに採取した鹿の角の対だった…




次の日両手両足を包帯でぐるぐる巻きにした瑛太が登校してきた

草木でかぶれまくったらしい…



奴は本当に面白い

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