第2話

今日の天気予報 晴れところによりにわか雨


余程頭の良い人やスポーツが出来る人以外、地元民は同じ高校に通う


同じクラスの瑛太は放課の時、飲み終わったペットボトルの底の方から窓の外を眺めていた

それをすると何か特別な見え方がするのかと、数人の男子は瑛太に倣って空のペットボトルの底を覗いてみた


当然だが望遠鏡代わりになる訳もなく、ペットボトル越しの世界が見えるだけだ


直ぐに飽きた男子達は他のことをし始めたが、瑛太は放課の間中ぼーっとペットボトル越しに眺めていた


我々には見えない何かが見えるのかもしれない…



提出物のプリントが瑛太だけ出されていないと、担任から1人居残りさせられていた

幼馴染のご近所さんだからと言って、チャリで片道30分掛かる道のりを一緒に通う義理も無く、もちろん先に帰る



突然の雷と豪雨が止んで、コンビニにでも行こうかと玄関を出たら、ちょうど瑛太に出くわした

察しの通り全身びしょ濡れ


急な天候の変化による雨、降ったのは僅か10分程度…

帰宅する頃には晴れ


引きが強い!!!


とりあえず、風邪ひかないようにと声を掛けてコンビニに向かった

奴のこの引きの強さ、やはり何か奴は持ってる



次の日、瑛太はその雨で他の紙とくっついてしまいウェーブのかかったボロボロのプリントを提出していた

文字を解読するのも難しいだろう



そのプリントさえたまらない!

瑛太グッジョブ!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る