第28話 5日後~終わりの始まりは、予想外の光景と共に~ メラニー視点(5)
「てっ、テオドール様っ。パトリシア様っ! ごめんなさいっ!! 全部わたくしの仕業でしたっ!! ごめんなさいっ!! 反省していますっ、しましたからっっ!! 熱と痛みを止めてください!!」
地獄の苦しみがやってくる――。それを理解した瞬間、カーペットに強く額をこすり付けた。
やけどをしたような熱さと鞭で打たれたような激痛っ! そんなのいつまでも耐えれないっ!! どうにかして回避しないと、大変なことになってしまう!!
「顔が燃えているみたいなんです!! 数秒ごとに激痛が来るんです!! 熱いんですっっ、痛いんですぅっっ!! 止めてくださいぃっ!! 助けてくださいっっっ!!」
痛みで死んでしまいだからっ!! お願いっ、お願いします!!
止めてっ! 助けて!! 解放して!!
「おねがっ!! 反省してますからっ!! 一生かけて償いますからっ!! 何でもしますからっっ!! 止めてっ!! 助けてっ!! 許してぇっっ!!」
「……メラニー。貴女はそれと同じものをパトリシア様に嬉々として味わわせ、あまつさえ数年間『見世物』にしたのですよ? 許しを得られると思っているのですか?」
「あれはっ!! パトリシア様のっ、見た目がっ!! 見た目には勝てないと思ってっっっ!! 悔しかったんですっ!! 醜い嫉妬でっ、今はっ、最低で無様な行動だと理解してますっ!! お願いですっ!! 一度だけっ!! わたくしにぃぃっ、チャンスをくださいっっっっ!!」
痛いっ、熱いっ。苦しいからっ! 辛いからっ!!
どうかっ! どうか許してぇ……!!
「…………あのですね。貴女の行動は、そんなチャンスを得られないものなのですよ。自分は嫌だ。自分だけは助けて欲しい。そういった事は通りませんよ」
「そっ、そう仰らないでぇっ!! だっ、だったらっ! 反省の気持ちを込めて平民に堕ちますからっ!! 全部を手放しますからっ!! 全部をパトリシア様にお譲りしますからぁっっ!! 許して……!! 許してくださいぃぃっ!!」
「パトリシア様も、ハレミット家当主ご夫妻も、そして僕も。貴女の反省なんて欲しいとは思っていませんので、そういった事は結構です。それに、そもそも――。貴女は勘違いをしていらっしゃいますが、僕は貴女を元には戻せませんよ」
…………え…………。もとには、もどせない……?
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