真夏のちいさな命たち

 そこは比べものにならないくらい暑くて、眩しい所だった。


 僕はしばらくその場にへばりついて、その景色に圧倒された。噂には聞いていたけれど、まるで別世界じゃないか。


 お兄ちゃん達の声が聞こえる。何て言っているんだろう。生まれたて同然の僕にはちょっとまだ分からない。いつか分かる日が来るのかな。また時間がかかるのかな。


「この世界は残酷だよ」


 あれ、言葉が届いた。すぐ近くに、歳の近いお兄ちゃんがいた。


「どういうこと?」


「思っているより時間がないということだよ」


「だって僕いっぱい眠ったよ。だからすごく元気だよ」


 淋しそうにお兄ちゃんは笑った。どうしてそんな顔をするんだろう。やっとあの場所から這い出ることが出来たんだよ。


 その時、別のお兄ちゃんが降ってきた。

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