『おらんうーたん』

やましん(テンパー)

『おらんうーたん』・・・または『いつもの風景』


 『これは、フィクションである。』




 (あいもかわらず、ねこママの店である。)



ごき太郎


『やましんさん、こんばんわごきぞな』



やましんさん


『やあ、ごき太郎君。元気?』



ごき太郎


『まずまずだあぞなごき。約束通り、やましんさんちには、出入りしてないごきぞな。』




やましんさん


『ああ。それがいいよ。家では区別、なかなか付かないんだ。食料確保のための戦闘ごきとは、戦ってよいと、ごき大将から言われてるけども。民間のごきとはね、見分けができないんだなあ。』




ごき太郎


『んだあぞなごき。おらは、主に、庭の生き物の生態調査が仕事ぞなごき。』




ねこママ


『庭の生き物のセイタイチョウサ、にゃんこな? 調査してどうするにゃん。』




ごき太郎


『やましんさんちの寿命を測る指標になるぞなごき。』




やましんさん (牛乳を吹き出す。)


『ぶ!・・・』



ねこママ


『にゃんにゃん。誤嚥しちゃダメにゃん。お年なんだからにゃ。とんとん。』


 (やましんの背中を叩く。)



やましんさん


『ごほごほ、ども・・・・・・ときに、ごき太郎君、その箱は何かな?』



ごき太郎


『うんにゃぞなごき。ここにあ、うーたんが入ってるごきぞな。』



やましんさん


『うーたん?』



ごき太郎


『うんだごき。おらんうーたん、ぞなごき。ほ~~~ら。見てくだごき。』



 (やましんさんと、ねこママが、覗きこむ。)



ねこママ


『にゃん。これは、・・・・・・』



やましんさん


『てんとうむし、さんかい。』



ごき太郎


『うんだぞなごき。おらん、うーたんぞな。』



やましんさん


『君の、ペッと?』




ごき太郎


『なんのお。相棒ぞなごき。庭で、仲良しになったぞなごき。』




やましんさん


『はあ・・・・・ごきさんの相棒が、てんとうむしさんかあ。』




はとさぶろ


『やましんさんにも、おいらたち相棒がたくさんいる。ぽ。』




やましんさん


『そうですねえ。人間の相棒は、いるようないないような。』



ねこママ


『まあまあ、ほら、泣かないにゃぁん。もう一杯いきにゃんこ。』



 (ママが、昼間やましんさんがスーパーで買い、それを、ママが、やましんさんちの冷蔵庫から持ってきた牛乳パックを、やましんさんのコップに傾けた。)




ねこママ


『生きもの、みな兄弟姉妹にゃん。にゃんも、いただきますにゃん。かんぱーい。』




やましんさん


『かんぱー。・・・まあ、どっちでもいいかあ。あとは、寝るだけだし。』





   ***********************



  (ママの店の夜は、今夜もまた、しみじみと、更けてゆくのである。)


                     おしまい













 










 

 


 

 

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『おらんうーたん』 やましん(テンパー) @yamashin-2

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