縦に短く、横に長すぎる
今日で6日目。朝起きると、身体中が疲れているのを感じる。腕、肩、足に筋肉痛。そろそろ休養をとったほうがいいかもしれない。
とりあえず、私にはコーヒー、バイクにはガソリン。これで準備万端。今日の予定もメモにして、バイクに留めてある。今日は高知までの予定だ。
気温は8度、寒すぎる。四国は海が近くて南だから、暖かいと思い込んでいたが違うようだ。これなら千葉の方が暖かいかも知れないな。
気温のせいか、バイクをほとんど見ない。今日は土曜日なのだが、道の駅にもバイクが一台もない。
国道55号を走り、室戸岬を目指す。130kmくらいなので、三時間もあれば到着しそうだ。
途中、南阿波サンラインに寄り道。海を望む道だけど峠道。カーブが楽しいし、高い位置を走るので景色が良い。海と島が見渡せる。
その後も国道55号を走る。ずっと海のすぐ近くの道。交通量も少なく、信号も少ないのでぼんやり海を眺めながら走れる道だ。ここを走れただけでも四国に来た甲斐があったというものだ。
昼前に室戸岬へ到着。室戸岬は四国東部の最南端。
海沿いに駐車して、海岸へ行く。灯台はどうやら山の上にあるようだ。軽く景色を眺め、今度は中岡慎太郎像の横から階段を登り、展望台へ行く。こっちは眺めが良い。
次は灯台へ行こうと思い移動したが、残念ながら道が封鎖されている。灯台の近くまでは行けまたが、展望台からの風景のほうが良かったことも残念だ。
ちょうど昼頃。道の駅「キラメッセ室戸」で
ここからは高知市へ向かうが、途中、北川村へ寄る。
北川村には「モネの庭」がある。これは日本で唯一モネ財団に名乗りを許された場所である。画家のモネの「睡蓮」を再現した庭があるのだ。今回の旅で目的の一つでもある。
しかし、残念ながら睡蓮の時期ではなかったようだ。事前に時期を調べてから来るべきだったのだろう。どうやら、4月下旬から咲いて、メインは夏のようだ。さらに、睡蓮は午後に花が閉じるので、午前中に来なくてはならないらしい。
つまり、どちらにせよモネの睡蓮は見られなかったようだ。
それでも、片鱗だけは感じた。モネの睡蓮そのものを現実に再現しようとした庭園なのだろう。想像の中だけでも、睡蓮の最盛期には美しい光景が展開される様子が目に浮かぶ。
しかし、
その後は、流石に疲れたので、桂浜だけ寄り、そのまま宿へ。
ちなみに、桂浜はそこまで感動的な場所ではなかった。松林とのコントラストが綺麗だが、写真で見たことのある浜でしかない。坂本龍馬像もなんてことはない。写真で見慣れてしまうというのは感動が薄れるのだ。一見ぐらいの価値はあるだろうか。
翌日は、黒潮スカイラインから走り始め。土佐市の南、海沿いの道。海の横を走っていたら、突然山道になる。こういう道を走ると、四国は海と山が近いと実感する。
国道56号も楽しい道だ。山道、田舎道。田んぼの中を走る道。無料のバイパスもあったが、それよりも下道の方が好みだ。私はのんびりとした景色の中をゆっくり走る方が性に合っているのだ。
四国という場所は、なんとなく走っていても良い景色に出会える。その時々で、立ち止まって写真を撮るというのも一興だが、それよりも私は、走行中に出会う景色の方が好きだ。一瞬は切り取れない、連続している。だから、その時の感動は立ち止まっていては味わえないものだと思っている。
四万十市で佐田の沈下橋を見学へ行く。四万十川が増水すると、水に沈むように設計されている橋だ。そのため橋の両側に柵がなく、水面に近く、低いことが特徴だ。佐田にはその中でも一番長い橋がある。
写真でも見たことはあるが、これの実物は別格だ。想像よりも河に近い。車がすれ違えないくらい狭く、両側がないため上を走るとスリリングだ。自然と一体になったかのような錯覚さえ覚える。
幸い、他に交通がなかったので、橋の端っこに停めて写真を撮った。バイク乗りらしい橋とバイクだけの構図。もし、車が来ても大丈夫なように端に停めたが、少し端すぎた。バイクから降りようとして、端から落ちそうになった。これが生活道路だというのだから驚きだ。
その後は、四国の最南端、
なんてことのない灯台。ただ、最南端というだけの場所だ。ただ、天狗鼻から見る灯台だけは圧巻。灯台から15分ほど歩くが、それだけの価値があるだろう。切り立った崖に立つ灯台。細く海へ伸びた岬へ打ち寄せる波。そんな最果ての風景がそこにはある。
7日目はこれだけで終了だ。翌日の
やはり、四国は大きい。南北に走ると小さいと感じたが、東西はとても長かった。徳島から始まり、四国の海沿いを時計回りに縦に半日、横に2日かけて走った。
それにしても四国はバイクが少ない。これはやはり人口の問題なのだろうか。土曜日曜と走ってもほとんどバイク乗りを見かけなかった。関東なら平日でも常にライダーで溢れているから意外だ。まあ、車も少ないので、渋滞もなく走りやすいことは良いことだ。
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