10/9(土)、10/10(日) ビーナスラインを目指して

 そろそろツーリングに行こうと思う。これが今年の秋、最後のツーリングになるだろう。困ったことに1ヶ月間の出張が入ってしまったのだ。これがサラリーマンの辛いところ。帰ってくるのは11月の中旬になるだろう。

 さて、今回の目的地は決まっている。長野県のビーナスラインである。会社の先輩にオススメされたのだ。千葉からは少し遠いので、一泊して行こうと思う。せっかくなのでキャンプだ。おそらく、キャンプも今年ラストだろう。


 出発当日の土曜日、朝6時に出発する。そのまま順調に湾岸道路を抜けて、青海街道を走り、9時半には青海に着く。ここまでは問題ない。

 しかし、何故か雨が降り始める。天気予報は晴れ。エッセイを書き始めてから、雨男になった気がする。仕事では晴れ男な事が多いのだが、不思議である。

 コンビニで雨合羽を着てから走る。しかし、奥多摩に着くと何故か晴れる。道路も濡れていないので、こちらでは雨が降らなかったようだ。非常に不可解である。

 私の近くでわざわざ雨を降らさないで欲しい。目的地に着けば晴れるのも不思議である。どうせなら常に晴れていて欲しいものだ。


 その後は快晴の中、奥多摩湖沿いの青海街道を走る。山を通る、奥多摩周遊道路を走るという選択肢もあったが、あえて湖沿いを選んだ。川や湖、海なんかをみると落ち着くのだ。どうやら、私は水が好きなようだ。山も好きではあるのだが、どうしても仕事を思い出してしまう。

 ちなみにこの道は春に走った事がある。ゆっくり走ると気持ちがいい道だ。景色の良い川沿いを走れる。カーブも多いので、走っていて楽しい。交通量が多い事が唯一の欠点ではあるのだが、リピートしたいと思える道だ。


 道の駅丹波山で鹿カレーを食べる。時刻は11時半。昼食には少し早いが、朝飯が早かったので問題ない。

 トロトロに煮込まれた鹿肉がたっぷりと入ったカレーである。無論のこと、旨い。900円という値段の割に若干量が少ないが、そんな事も気にならなくなるくらいの味である。

 ちなみに、この道の駅では、山葵の入った海苔の佃煮がおすすめである。漫画「ざつ旅」でも紹介されているお土産だ。刻まれた山葵の風味と海苔の濃い風味が混じり合って独特なハーモニーを醸し出す。海苔の佃煮が苦手な人にもおすすめできる逸品だ


 奥多摩からそのまま大菩薩ラインを走る。この道も相変わらず景色が良い。山を降るように走るのだが、まるで空を走っているかのような気分になる。空がよく見える道だ。天気も快晴で気持ちが良い。


 街に降りて、国道20号を走る。時刻は14時前くらいだが、我慢できないくらい暑い。多分、一日の中で一番暑い時間帯である。堪らず、コンビニでガリガリくんを食べる。暦は秋であるが、暑い日のアイスは夏の醍醐味である。

 逆に考えれば、これだけ暑いなら、キャンプの夜も寒くはないだろう。


 その後は1時間ほどでキャンプ場へ到着。道中、道の駅小淵沢で白ワインを買う。コップ付きなのでありがたい。

 今日のキャンプ地は、立場川キャンプ場。着いてみると、思ったよりも人がいる。管理人さんに聞いてみると、それでも泊まれるらしい。ハンモックできる場所も空いている。ラッキーだ。

 設営場所はユニークで道沿いの空き地ならどこでも良いらしい。ハンモックの設営は5分ほどで終わった。しかし、タープが難しい。なかなかうまく張ることが出来ず、30分もかかってしまった。やはり、事前に練習すれば良かった。

 そして、最大の問題はバイクの駐車である。適当に停めると倒れてしまいそうになる。とりあえずアスファルトでできた道の端においたが、他の人の邪魔になるため、対策を考えなければならない。どこかに都合よく、かまぼこ板など落ちていないだろうか。


 設営も終わったので、今度は飯だ。まだ16時だが、猛烈に腹が減っている。

 管理人さんにもらったガイドをみると、温泉もいくつか記載されている

 2箇所に行くのも面倒なので、温泉が併設されているという道の駅信州蔦木宿へ行く。

 そば御前1350円を食べる。そばと天ぷらと小鉢のセット。なかなかにボリュームがある。そばも新そばでうまい。

 その後は温泉に浸かり、サウナで汗を流す。疲れているのか、今日はあまり長居できなかった。いつもだったら、サウナと水風呂を最低三往復はするのだが。

 外の喫煙所でタイルのかけらを見つける。ちょうど良い、バイクのサイドスタンドの下に敷こう。


 夕食と風呂を済ませたので、コンビニで買い出しをした後にキャンプ場に戻る。後はのんびりと過ごすだけである。

 川の音に耳を傾けながら、本を読む。気が向けば、酒を飲んで、タバコを吸う。少しツマミを食べながら、ボンヤリと寝っ転がって過ごす。やはりハンモックは良い。非日常感を満喫できる。特別なキャンプギアなどは必要ない。焚き火がなくとも充分だ。

 懸念事項だった気温もちょうど良いくらいだ。長袖のパーカーを着れば、暑くも寒くもない。寝袋を使えば暖かい。ハンモックは地面に接していないため、底冷えがない。おかげで快適そのものである。

 バイクの駐車も、拾ったタイルを使ったところ、想定した通り安定した。これで安心して眠れる。

 

 と、思っていた。なぜか雨が降り始める20時。タープがあってよかったと思うが、もう雨はやめてほしい。雨雲レーダーには何も映っていないのに不可解である。幸いすぐに止んだので事なきを得た。

 そして朝方3時。ウトウトと目が覚める。足が寒い。寒すぎる。下半身だけが凍えている。それでも、どうにか6時まで寝る。

 起床して気温を見ると13℃だった。まだ寒いので、コンビニ飯を食べて撤収。7時に出発。

 周りのキャンパーは火を焚いたりして暖を取っていた。のんびりと朝を過ごすのだろう。そんなキャンプも少し羨ましい。しかし、私にとっては、朝一のツーリングが一番楽しみなのだ。


 本日の最初は諏訪大社へ行く。詳しくない私でも知っている神社である。某同人ゲームでも舞台になっていたため、せっかくだから行ってみようと思う。

 調べてみると諏訪湖周辺に4か所、諏訪大社はあるようだ。違いがよくわからないので(調べる気がないので)、とりあえず諏訪大社下社秋宮へ行く。早朝なので空いている。中々に雰囲気が良い場所だ。なるほど、寺や神社は朝に行くのが良いようだ。人が少ないので、神聖な静寂を堪能できる。

 そして、杉の木に驚かされた。大きい。両手の延ばしても抱えられないほど幹が太い。樹齢は何年になるのだろう? 初めて見る大きさに圧倒される。来た甲斐があった。


 その後は待望のビーナスラインへ行く。県道199号が通行止めだったので、県道40号を走る。この道は諏訪市街から霧ヶ峰までの最短ルートのようだ。駅に着くと、大量のバイク乗りがいる。みんな考えることは同じらしい。

 そして、紅葉の中、ビーナスラインを走る。おすすめされただけあって、すごく楽しい道だ。景色がよく見えるし、カーブも楽しい。みんなヤエーを返してくれる。

 バイクで走るにはちょうど良い時期である。気温も適度で、湿度が低いので景色もよく見える。天気も良く、今日はツーリング日和だ。


 ビーナスラインの終点、道の駅「美ヶ原高原」へ着く。外から見える美術館の彫刻群をみて思い出した。ここには来たことがある。昔、家族旅行で遊びに来たことがあることを思い出した。せっかくなので、美術館に行きたかったが、時間がないので今回はスルーする。実は、私は美術館が好きなので、今度は美術館目的で来るのも面白いだろう。


 今回も下道で帰ろうと思う。が、藤岡まで到着したところで体力が切れた。これ以上は無理である。あきらめて高速に乗って帰る。疲れた時は楽するのが一番だと思う。安全的にも疲労の蓄積的にも楽するべきだ。だから、帰り道だけは高速を使ったほうが良いのかもしれない。

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