かかふかか【短編】 Tempp様作
【あらすじ引用】
ある朝、俺が気がかりな夢から目ざめたとき、自分がベッドの上で一匹の巨大な芋虫に変ってしまっているのに気づいた。
なんだ? これ。腹部に小さな脚がたくさんついている。順番にもぞもぞ動かすと僅かに後脚に引っかかっていた何かが脱げた。
カフカの変身の冒頭だけ借景。
グレゴール・ザムザみたいに残念な感じじゃないけど、全体的にちょっと頭がおかしい系ではあります。
【良いところ三点】
1*カフカの変身では”ウンゲツィーファー「汚れてしまったので生け贄にできない生き物」”と新訳されている。彼の場合は”家族を養うために、自分自身を生贄”にしてきた。しかし、生贄にすら出来なくなってしまったということである。
この物語の中では、主人公が彼女の生贄となる。彼女の子を体内に宿し自分を生贄(食物)として育てるのである。自分自身を冷静に見つめ、判断するという所が彼と似ている。その為、設定の一部を使いオリジナリティに溢れる物語にした部分は真似できないものだと思う。
2*冷静な主人公を面白がる彼女。
好きな人になら食べられても良い。糧となっても良いというのは、愛なのだろうか?
主人公が冷静な為、こちらも冷静に読んでしまった。死ぬときも一緒というのは、あまり年齢は関係ないのかも知れないと思った。不思議な魅力の物語である。
3*冷静だからこその面白さがある。
始終淡々とした感じで進む物語。その為、あまり気持ち悪さを感じない。
主人公の心理が丁寧に描かれている為、独特ではあるが愛を感じる素敵な物語だと感じた。
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