疾風の戦士 エリーナ ポラード様作

【あらすじ引用】

当初は今まで書いた事のないファンタジーへの挑戦でしたが……、ファンタジーにはなりませんでした。強いてジャンルをつけるなら「バトルヒロイン」又は「アクション」となるのかなと。

エリーナが孤高の戦士へと成長し、活躍していく物語をお楽しみ頂ければと思います。

また、戦闘シーンでは、瞬間的な動きの文字表現には拘りながらも、スリリングな表現に心がけました。


【良いところ三点】

1*必死で生きるということがどんなことなのか伝わって来る。

犯罪は確かにいけない。しかし、極限まで食べることに困っている人に対して、ここまで冷徹になれるだろうか? そう思えるのは今、自分に少し余裕があるからなのかもしれない。ここの地区は皆が食べることに困っているような場所である。何かのテレビで観たことはあるが、年間のスーパーの万引きによる被害総額は相当なものらしい。これを当てはめてしまうと、この時主人公に対して憎しみを持って追って来た人の気持ちも、わからないでもない。どちらも必死で生きているんだ、ということが伝わってくる。


2*光が見えても、それは楽な道ではない。

この物語は、ピンチのところを救われる。しかし、救われたからと言って楽な人生が待っているわけではない。それでも主人公にとっては、ご飯と寝床にありつけるのはとても幸運なことなのではないだろうか?

希望の見え方も素敵である。今まで自分に向けられていた言葉とは、全く違う言葉をかけられる。

それがあったからこそ、辛くとも頑張ろうと思えるのでは? 彼女にとって生きるとは、ただそれだけで必死にならざるを得ないものなのかも知れない。そして、そういう気持ちが伝わって来る物語だと感じる。


3*修行で強くなったことが、戦闘シーンで伝わって来る。

主人公は初め、一見簡単に思える辛い修行から始まる。それがこなせるようになった頃、身体は確実に強くなっているのだ。修行を続けたある日、それはやって来る。この場面は、行動描写が丁寧に書かれており、臨場感がある。文字の世界は、行動を伝えるのがとても難しいと思う。スピード感を出すには細かすぎてもいけないし。かと言って大雑把だと臨場感を出すことが出来ない。バランスがとても難しいと思うので、このシーンはとても素晴らしいと感じた。(4ページ目の戦いについて)

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