鬼喰いの浄鬼師(略)羽之 晶様作

鬼喰いの浄鬼師~くらえ俺の消臭剤!妖怪怨霊シュパッと討伐!イマドキの陰陽師が青春と呪術に全力投球!!~


【あらすじ引用】

平安時代の夜空に浮かぶ消臭スプレー。

 そんな異質な一文から始まるこの物語。

 レーザーポインターの結界、対魔のLEDライト。鬼を追跡するドローン。

 現代アイテムと陰陽道を組み合わせた術を使うのは令和に生きる青年たち。


 時には、悪霊や鬼に取り憑かれた罪もない人々に、憑侵除霊(ダイブ)する事で精神世界に侵入。

 重力も秩序も無いその混沌とした世界で、制限時間内に取り憑く邪鬼を打ち払え!!


 現代に生きる阿形 桃眞(あがた とおま)は、興味本位で目覚めさせてしまった異形の存在に、両親や友達を殺されてしまう。


 間一髪、陰陽師達に救われた桃眞は、令和の時代にも存在する陰陽寮へと連れられる。

 外界とは隔絶されたその世界で、桃眞は、復讐と大切な人々を守る為に陰陽師となるべく寮生活を始めるのだった。


 個性の強い仲間達との寮生活、青春、恋愛。笑いと涙……。

 桃眞達は、令和時代と平安時代を行き来しながら真実を追い求め、成長してゆく。


 今までに見た事もない、新しい陰陽師物語が君を待っている。


 そう……これは、令和時代の陰陽師達の物語だ。


 本格的!

 イマドキな陰陽師の卵がワクワクドキドキの寮生活を送る。

 青春ダークバトルファンタジー!!


【良いところ三点】

1 設定が斬新である。あらすじによると令和に生きる若者が、現代のものを平安に持ち込み戦っているのだと解釈する。(本編冒頭では、その事が記載されていない為、ちょっと分かり辛いが)

異世界転生ものや、タイムスリップものは行きっぱなしが多いが、行き来することによりアイテムがパワーアップするのではないだろうか? と期待も持てる。もし、現代の技術を過去に持ち込んで戦ったならば、という発想で描かれており、夢を感じる設定である。

2 基礎的なことがきちんとできている為、読みやすいと思われる。意外と難しいのがルビ。自分では読めると思って省く人が多いが、常用しない言葉にはルビが振ってあり、語尾重ねなどもないので、とても読みやすい。世界観の説明なども、いろんな方法で明かされていく。会話だったり、戦闘中での内容に含まれていたり。全体のバランスが良いと思う。

3 方向性がしっかりしている。この物語の発端は主人公が自ら作っている。もしこれが、他人の手によるものだったなら、憎しみなどは別の方向に向けられたかもしれない。つまり、戦うことにきちんと理由があるという事である。興味本位でしてしまったことで、両親を失う。どんな悔やんでも悔やみきれないだろう。しかし、冒頭での彼は余計なことを考えず目の前の敵を倒すことに集中しているように感じる。つまり、なんらかの形で断ち切ったか、立ち直ったのではないだろうか。ここまでたどり着くまでに、どんなドラマがあったのか、とても興味をそそる物語だと思う。

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