松竹物語 いち01様作

【あらすじ引用】

久しぶりに実家に帰省した、私。

私はそこで、母の壮絶な過去を知りました。


母の過去を知った〔私〕の、心の変化にご注目ください。

人生のターニングポイントって、ありますよね。


【作品の良いところ三点】

1 この物語は、娘と母の会話から始まっていく。娘の親孝行話なのかなと思ってしまうがそうではない。親子とは不思議な関係だと思う。子はいつまでも子なのかもしれないが、ある種大人になると子供に理解を求めるようになるのかも知れない。同じ境遇になるまでは、理解しうることの難しい部分もあるが、親にとって子は一番の理解者だと思っている部分もあるのではないか。配役において、この物語を深く考えさせるには、娘と母だったのではないかと感じた。もし、息子であったならまた違った物語になっていたのかも知れない。

2 娘と母であった理由が、母の過去の話から何となく分かっていく。子供にとって親とは何か? ということを深く考えさせる物語。どんな仕打ちをされても母が子供にとって母であるという事が、心情により伝わってくる。主人公は”母”なのだと思う。彼女の心情により、伝えたいことが伝って来るように感じた。とても心理描写が上手く、感情の変化も理解しやすい。

3 構成もよい。ただ辛いだけの人生ではないという事は、冒頭のほうの娘との会話から伝わってくる。少なくとも、娘は母を思っている。そして、どうしてこういう家庭なのか、納得のいく展開もある。母を通して”親とは何か”ということ”子はどういうものなのか”という事、が伝わってくる。

タイトルの意味もきちんとつながっており、伏線や疑問、その後。そして物語に救いがあるところも良い。心を動かすことのできる物語であると感じた。

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