女神の白刃   玉椿 沢様作

【あらすじ引用】

どこかの世界の、いつかの時代。


 その世界の戦争は、ある遺跡群から出現した剣により、大きく姿を変えた。


 女の身体を鞘とする剣は、魔力を収束、発振する兵器。


 剣は瞬く間に戦を大戦へ進歩させた。数々の大戦を経た世界は、権威を西の皇帝が、権力を東の大帝が握る世になり、終息した。


 大戦より数年後、まだ治まったとはいえない世界で、未だ剣士は剣を求め、奪い合っていた。


 魔物が出ようと、町も村も知った事かと剣を求める愚かな世界で、赤茶けた大地を畑や町に、煤けた顔を笑顔に変えたいという脳天気な一団が現れる。


【良いところ三点】

1*最初に目に入るのは小タイトル。独特な言い回しや表現であると感じるため、とても拘りがあると感じた。物語に入ると、現在の状況が分かりやすい書き方から入ってく。その為、非常に物語に入りやすく情景を浮かべやすい。あらすじを読むと混沌とした始まりなのだろうかと想像する人もいるかもしれない。実際、そういった場面や展開もあるのかも知れないが、登場人物の口調や小タイトルからは明るい印象を持った。傾き過ぎない、バランスの良い作品だと感じた。タグにはダークファンタジー、シリアスとあるがはいり口は柔らかいと思われる。(読みやすいという意味合いです)

2*この三人の組み合わせはたまたまなのかと思っていたが、含ませがあることに気づくとなるほどと思い始める。あえて主語を抜くというという部分が数か所あるが、この国では暗黙の了解があるのだという事なのだろう。強調することにより、その内容があとで明確になるという予告ともとれる。珍しい世界観の設定な為、謎の部分もあるが初歩的なこと(鞘になる女性の生活面など)は早い段階で、きちんと読者に提示されている。その為、世界観を理解しやすく、問題点についても分かりやすい。

つまり、この世界の中での問題点という意味合いである。

3*この物語は、冒頭からでは予測不能な展開が待ち受けている。あまり書くとネタバレになってしまうので記載することは出来ないが、驚きの展開が待ち受けている。大体にして、ん⁈となるのは物語の後半が多い。つまり、この物語は読者を飽きさせない工夫がなされていると感じた。

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