The World Creation  ほーこ様作

【あらすじ引用】

この世界、セプトレーフは七つに分断されていた――



昔々の大昔。

神々がまだ地上にいた頃のこと。

善神ギリトワイスと邪神アレクバイド。強大な力を持つ二柱の神が人の処遇を巡って相互に争った。

アレクバイドの一撃で世界は七つに引き裂かれ、ギリトワイスの聖なる力で邪神が封印された後も、七つに分かたれたままとなった。

分断された欠片の世界の上で、それでも人々は生き続ける。



第一の欠片は世界のかつての世界の中心、ネセルテ

第二の欠片は水に愛されし群島の国々が集う、ラテウ

第三の欠片は火を噴く山と荒涼たる砂漠が広がる、イフレ

第四の欠片は峻嶮な峰が風舞い踊る草原に聳える、二ウド

第五の欠片は巨木多い茂る大森林、アレス

第六の欠片は太陽の沈まぬ白き大陸、ギルス

第七の欠片は光知らぬ闇の大地、カルド



それぞれの欠片の上で人々は世代を重ね、いつしか世界の元の姿は忘れ去られた。

もはや互いの欠片の存在を知る人間すら少なくなっていく中、

欠片の世界を隔てる狭間を越えて旅をする「旅人」と呼ばれる人々が欠片同士を細い糸で繋いでいた。



世界片を往き来する何でも屋、「旅人」の少女、アリアは、師であり兄弟分でもあるラクスと共に依頼をこなす日々を送っていた。

そして彼女はある日、旅人とは犬猿の仲であるはずの教会からの依頼を受けることに。


ーー神の目とも呼ばれる第三月の新月期、その節目の儀式が始まる前に、教会から盗まれた儀式の道具を取り返せ。


本来ならばあり得ないはずの、教会から依頼。

首を傾げながら盗品を取り戻しに向かったアリア達は、盗品に紛れるようにして眠る一人の少年と出会うーー


【良いところ3点】

1*神話が描かれたようなあらすじ。これは世界の成り立ちなのだが、神話のような世界観。そこで展開されるのは異世界ファンタジー。面白い組み合わせであり、プロローグが童話調となって居る。拘りをとても感じる作品だ。

2*主人公の登場の仕方がドラマチックである。多くの作品が主人公視点、もしくは重要人物から主人公を見た視点となるだろう。しかし、この作品はある男の視点からである。そこで彼女に対し感じたこと、分析などにより描かれている。その為、主人公がどんな人物なのか分かりやすい。

通常、主人公の容姿などを語ろうとすると三人称なや別視点どで語られるものだが、そのある男の視点により客観的に語られているため、実力の差なども分かりやすい。

3*全体に描写がとても丁寧で読みやすい。森の説明に関しても、どんな場所なのか人々からどんな風に恐れられているのかなど、読み手が分かりやすく想像しやすい工夫がなされていると感じる。丁寧であるにもかかわらず、ダレるようなことが無い。つまり流れや表現がとても巧いという事である。

「」の使い方もとても巧いと感じた。独り言が、重要なことと分かりやすい。地の文に混ぜない方が良い部分 (目立たせたい)を独り言にあてているのではないかと想像した。

(一章の旅人より)

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