神の器は此処にあり  十璃 綴/ツヅリ ツヅル 様作

【あらすじ引用】

「貴方達人間は神々の試練によって滅せられることを此処に宣言します。これは、断罪です」


ついに神の逆鱗に触れてしまった人類は、姿を現した断罪神の判決により滅亡を決定付られる。

そこから始まった人類VS神の戦争。


しかし、人類もただでは滅ばないとばかりに最後の抵抗を始める。

人々は自らの魂を暴れさせ身体という器から漏れ出た魂の奔流を纏い、神に立ち向かう牙とした。


要塞都市トーキョーに位置するトーキョー第7軍事学校首席の主人公 神崎選/カンザキスグルは謎の英雄育成プログラムに参加することとなり、苦境に立たされた人類を救う一人の英雄となるべく奮闘する。


【良いところ三点】

1*プロットがとても面白い、発想というのが正しいのか。神VS人間という設定はそんなに珍しいものではないと思うのだが、人間がどんな手段で戦うのか。ここに独創性を感じる。しかも、始まりの日ではなくある年数が経った後から始まり、何があったのかが明かされていくシステム。読者の好奇心を刺激するのには、とてもよい演出だと感じる。

2*あらすじの書き方がとても巧い。どんな物語なのだろうと想像しながらページをめくることが出来る。そして、冒頭から緊迫した雰囲気。冒頭の会話文には注視の効果があり、しかも会話内容は”なんだなんだ?”と興味を惹くものである。そして何が起きているのかが分かりやすく、どんな世界観なのかも想像できる。(天国について)

3*この物語は、ご都合主義とは違う。日本と海外の力の差なども取り入れ、リアリティを出している。そして、一度は諦めかけた彼らに光を齎すという展開だ。プロローグの流れがとても巧く、これからどうなるのだろうかとワクワクさせるものだ。その後も拝読させていただいたが、非常に物語の作り方が巧い。(1ページのごとの起承転結)次はどうなるのか?という期待を抱かせる結び方である。

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