2021'6/6~

安楽庵探偵事務所 〜尋ね人は異世界です。〜 かなたろー様作

【あらすじ引用】

その探偵事務所は、新宿の雑居ビルの七階に事務所を構えていた。人探し専門の探偵事務所だった。しかし、事務所の看板は掲げていなかった。だが、替わりに広告を出していた。月刊紙のオカルト雑誌の、増刊号の季刊誌に四分の一ページの広告を出していた。


『尋ね「人」探します。 −安楽庵探偵事務所−』


 広告には住所しか載せていなかった。電話番号や、メールアドレスもない。当然、ホームページはあるはずもない。公式SNSアカウントすらない。これではそうそう、たどり着けない。そんな広告で大丈夫か?大丈夫だ。問題ない。なぜなら、異世界に転移した人探し専門の探偵事務所だったからだ。

 安楽庵探偵事務所の所長、安楽庵キコは、不思議な能力を持っていた。その能力が使えるのは、春夏秋冬の季節の変わり目〝土用〟に限られるが、その期間中であれば、事務所の非常階段の先に、異世界へとつながる廊下を作りだす事ができる。


 キッカリ六十個ある、異世界につながるドア。


 そのドアの額縁に、昔ながらの製法でつくられた松煙墨で描かれた〝水墨画〟を嵌め込む事で、異世界への通用口を開く事ができる。安楽庵キコは安楽椅子探偵。故に自身では異世界には赴かない。千変万化の異世界の特徴に合わせて、〝三人の助手〟の中から、最もふさわしい人物を派遣し、尋ね人の捜索を依頼した〝依頼人〟に調査報告を行う。異世界転移した、尋ね人を探しにくる依頼人は、すべからく、心に〝苛立ち〟抱えている。その苛立ちを、安楽庵キコと、三人の助手はバッサリと切り捨てる。


 そう、探偵事務所の本来の目的は、尋ね人の捜索を依頼した人物を救い出すことだった。苛立ちを抱え、異世界へと引き摺りこまれそうになっている、依頼人の心をスッキリさせる事だった。そして、異世界へと引き摺りこまれないように〝免疫〟と、二〇二〇年、大きな社会変容に飲み込まれる世界の中で〝生き抜く力〟を与える事だった。二〇十九年、世界変容が音もなく近づくなか、春夏秋冬、様々な苛立ちを抱えた人たちに、救いの手を差し伸べる連作短編です。季節のじゃがいも料理〟に、ユーモアとハートフルを添えて。


【感想】第八話:冬「とり残された男とじゃがいもソフト」前編


このページを選んだ理由。何となく後ろの方を読んだ方が、良いと思った為。

いまいち趣旨が分からなくて、あらすじを二度読んだ。ある人が人探しの依頼にやってきたが、三か月に一度しか客が来ないというのには特殊な理由があり、モテないのにも沢山理由があるという事。

探す先が現実世界ではないというところが斬新だなと思った。

10年前にいなくなっが、ここに辿り着いたという事は無事。というセリフを見て、この場所に依頼に来ることが出来ること自体がある意味”生存”を示しているという事。それが裏設定なのか、続きに説明されているのかはわからないが。(1Pふだけ読む企画なので)

この物語は、ある事情があって期間限定でしか人を探せない。ただ、人を探すことよりも”依頼人”の心を何とかしようとするという発想が面白いと思う。

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