幸福の国の獣たち  夢浮橋様作

【あらすじ引用】

人間のくせにライオンの神に恋をする、明るくて世間知らずな古代人少女ララキ。

田舎に生まれ差別と偏見に揉まれて育った、苦労人でしっかり者の少年ミルン。

いろいろ真逆な二人は奇妙な縁で出逢い、ともに神々の世界『幸福の国』を目指して旅をすることになった。


対する神々はある理由で彼らを無視できず「試験」と称してさまざまな試練を彼らに課す。


秘密主義の謎の少女スニエリタや、それぞれが契約している個性豊かな動物たちとともに、ララキとミルンは力を合わせて困難を乗り越える。

旅を通して三人の間には友情や、新たな恋が芽生えていく。


一方神々の世界では、元からあった歪な上下関係の上に「裏切り者がいる」という別の影が差しかかっていた。

それは誰で、狙いは一体何なのか。判然としないまま人間たちの旅が終わりを迎えたとき、世界は一変してしまう。


そしてそれは、新たな旅と戦いの始まりだった。


「物語はハッピーエンドで終わらなくっちゃ!」

スーパーポジティブ古代人(へっぽこ)と苦労性の田舎者(ケチ)が、それぞれの幸せを掴む冒険譚。


【感想】009 ロカロ祠堂 - 世界でいちばん大事な人

主人公は何か出来事があって、静養している状態だろう。ここで出てくるのが、契約している動物たち。彼らが、どのように休養するのかがわかり、ずっと表に居ることが負担になることなのだと知る。

そしてこの回では恐らく重要となる”ララキ”の過去。

神に対しての考え方が好きだなと感じた。消えるのではなく、忘れ去られる。人もそうであるが、人の中に自分がいると感じるのは、承認されているから。もし人の記憶から忘れ去られてしまったら、いるのにいないという感覚になるだろう。きっと神も同じような感覚なのではないかと想像した。

存在がバレてしまったら、命の危機さえあるララキ。彼女に同行すると決めた主人公。(もしかしたら、女性の方が主人公なのかもしれないが)二人にこの先何が待ち受けているのだろうか?

続きの気になる作品だと感じた。

世界観や会話の流れなど、とてもスムーズで読みやすい。クスッとしてしまう部分もあり、全体のバランスがとても良いと感じました。(ほのぼのや、クスッとする部分もあるが、真面目、真剣な流れの部分もあり、一ページの中で読者の感情に変化を齎せるので、読んでいて飽きない)

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