第16話:作戦開始
基地の中、商談が終了しそのままフォルテノが今回の依頼についての作戦内容を説明し始めた。
「では、作戦内容を説明します。依頼文にもあったようにテンリ旧陸軍基地異跡の制圧を行い、内部の異物の収集を始めとした異跡制圧が主な目的です。中央区画を制圧し機能を停止させれば大体のモンスターは機能を停止すると思われます。貴方はASを主軸とした部隊の臨時追加要員とします、制圧が目的ですからその後は依頼終了後として扱います。戦闘が発生した場合は私たちが支給した物はご自由に使用して乗り切ってください。異物収集要因では無かったのを無理矢理組み込んだ弊害です。流石に契約を結んだ我々が同意の元とは言え契約違反は出来ませんので」
シーカーオフィスを塔した契約は絶対順守これはシーカーはともかく依頼側も熟知している常識らしいがこれは企業でも、いや。三大企業だからこそ反故には出来ないのだろう。
作戦説明を受けたノエルは早速、作戦の為予備弾薬をもって早速移動を開始した。
戦闘が開始され始めた。特徴的な紅い大型ASが高速で異跡の周囲の大型のモンスターをメインに殲滅し始めた。
ノエルはすぐさま専用弾を使用し攻撃を開始する、今回支給されたTSSR対物ライフル専用弾は他とは一線を画す威力を誇る弾丸で反動は徹甲榴弾よりも大きい。その反動を事前に体感していなければ強化服を着用していても吹っ飛んでいたかもしれない。
(流石TSSR対物ライフル専用の高火力弾!威力は折り紙付きね!)
発射された弾丸はスカーレットローズと呼ばれている大型ASの攻撃優先度の低いモンスターの中でも協力とされているモンスターを撃ち抜いた。VV3大型多脚戦車と異界では呼ばれていたこの戦車は他の戦闘用多脚と同程度の装甲を持っていたがTSSR対物ライフル専用弾によって一撃で大破し機能が停止した。
他の多脚を回復薬を惜しまず改造パーツと持ち前の体感時間圧縮そして仮面と銃本体の発射精度すべてを総動員し、驚異的な命中精度を維持したまま部隊員に接近する自動人形やスカーレットローズが取りこぼした攻撃用多脚を高速で銃撃する。
異界の戦車を屠るための銃であるTSSR対物ライフルから放たれる専用弾の威力を危険と判断した機械系モンスターがノエルの発射地点へ向けて移動を始めるもすぐさまスカーレットローズによって多数搭載されたミサイルポットが機能する前にスクラップと化した。
「強い…」
スカーレットローズが最後の一体を屠り戦闘がほぼ終了した後、ノエルはその戦闘を振り返ってそうつぶやいた。
(攻撃の精度が、武器の性能が、そしてそれを操る操縦者の操作技術全てが尋常じゃない。きっと中で操縦している操縦者も今の私では到底及ばない戦闘能力を持っているに違いない)
およそ三時間かけて辺りの機械系モンスターを一掃したお陰である程度安全に遺跡内部に侵入することが可能となり部隊員とシーカーが基地内部へと突入する。ノエルはTSSR対物ライフルからタボールに装備変更を行った。
先行して突入したシーカーや部隊員達が戦闘を開始したようであっちこっちで銃撃の音や爆発音が聞こえ始めた。ノエルは正真正銘の雑魚である、それをノエルも周りも理解しているが周りから見れば こいつ何でこんなところに? でしかない。先程の狙撃の腕は確かに悪く無いと思われているであろうともそれだけでしかない。しかも先行した部隊はTSSR対物ライフルの専用弾を至近距離で連射されようとピンピンしている化け物達。ノエルは精々警戒しながら安全が確保された後研究者チームと一緒にたんさくを開始した。
この異跡はかなり広大であり探索はかなり長期にわたって行われるがノエルが参加しているのは初日のみ、残り6時間の契約時間のうちに高性能な異物を見繕わないといけない。
およそ6時間が経過し倉庫区画を始めとした重要区画と思わしき区画を中心に一部区画の制圧が終了し中枢区画を中継拠点となった。
異物捜索の進捗は悪くないがこれという物を見つけるまでには至っていないノエルは中枢区画で休息や補給を開始し始めた。
(いざ何でもと言っても碌に見つからないわね)
別に何一つ異物が見つかっていない訳ではない、そもそもそこら辺にある物全てかなりの価値のある異物だろう、だがノエルが持ち帰れるのは一つだけだ。
ノエルは異物探索というよりも仕事道具探しに来たという気持ちで探していたのだ。確かに強力な武装もあったがそのどれもがノエル一人では賄いきれないエネルギーや抑えきれない反動他にも過激なデザインの強化服等々だった
(人?でも宙に浮いてるように見えるのだけど…拡張現実たしかARって言ったかしら?)
ノエルは中枢機関の中心のテーブルの真ん中に浮かぶ少女と言う奇々怪々な物体を見ながらも、周りの人間は気にしていない為そう言うものと思いよく観察してみることにした。
浮かんでいる少女は軍服と呼ばれる物にも見えるが明らかにおかしい、ファッションに詳しくないノエルだがそれくらいは分かった。髪は身長よりも長いプラチナブロンドで青い瞳の。何より特徴的なのは頭に獣のような耳と尻に尻尾すらある。現実味の無いとは言え美少女であろう。
試しにノエルが少女に向かって手を振ってみる、返答は期待していなかったノエルはしばし反応が無いのを確認するとため息を付きながら立ち上がろうとした、その瞬間頭の中に声が響いた。
『こんにちは、ようこそいらっしゃいましたね。盗人さん』
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます