　６月３０日月曜日。夕方。

　会議室に、山田と真奈美、小巻、四谷が集まっていた。

　TV会議で片岡本部長、佐々木部長も参加している。

　クロージングに向けた社内最終確認会だった。

　真奈美は片岡本部長に説明を始めていた。

「当社から準備する書面は段取り完了です。私が持ち込みます」

「わかった。よろしく頼みます。現地での段取りは？」

「はい。スケジュールはお手元の資料の通りです。明日の昼に現地に入っていただき、昼食は現地で。午後から資料確認を行います」

「宮津精密側の資料の準備は完了していますか」

「はい、出資に関する資料はすでにドラフトを確認済みです。事業提携の方は、佐々木さん、いかがでしょう？」

　出番が来たとばかりに、佐々木は元気に答えた。

「書類内容確認は当日になりますが、すべての技術資料の開示準備が完了していること確認済みです」

「うん、わかった。準備万端だな」

　片岡は満足そうだ。

「はい。明日は本社からは山田チーフと私がクロージングに参加します。片岡本部長にも現地に来ていただくよう段取り済です」

「うむ。森社長とは今まで以上に腹を割った話ができそうだ」

　がはははは。片岡の笑い声。今回のプロジェクトを通じてだいぶ慣れてきた。最近ではなぜかこの声を聴くと安心する。

「本当に、ここまでの対応、皆様には感謝します」

　片岡は、最後にメンバーへ感謝を告げた。

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