第145話 SHA
真奈美はぷりぷりし続けていたが、小巻はさっさと次の議題へと移っていった。
株主間契約、通称SHAだ。
「では質問です。SHAは誰のためにある契約?」
(いきなり!?)
真奈美は慌てて答えた。
「えーっと、株主間っていうくらいだから、株主全員のため?」
「うーん、20点。ざんねーん」
小巻は、予想通り、と言わんばかりにニヤニヤしながら低い点数を宣言した。
(もーーーーーっ!さっきから人のこといじり過ぎでしょ!!)
小巻はくすくす笑いながら解説を始めた。
「あのね、少数株主(マイノリティ)に与えられる権利ってめちゃくちゃ少ないのよ」
株主総会の普通決議は過半数以上の議決権を持つマジョリティ株主がすべて単独決議できてしまう。
マジョリティが2/3以上の議決権を持っていたら、特別決議すら単独決議できてしまう。
「10%しか持たないのなら……ほぼ何一つ拒否権を持てないわ。だからマイノリティはSHA交渉で必要な権利を獲得する必要があるの」
「……そうなんだ」
「わかった?だから、がんばって交渉してね」
小巻は真奈美の肩をばーんと叩いて激励した。
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