第48話 レビューの結果は……

 お昼は売店のサンドウィッチを頬張りながら、ぎりぎりまで資料作成――


 そして、午後1時。


 真奈美はいつもの打ち合わせコーナーで、プロジェクターに資料を写した。


「おつかれさま。一応一通りできたかな」

「はい、一旦何とか仕上げてみました」

「うん、ありがとう。じゃ、最初から説明をしてくれる?」

「わかりました」


 真奈美は、山田に対し、出来立てほやほやの資料を順を追って説明した。


 ・白馬機工の概要、ビジョン、これまでの沿革や業績

 ・中期計画の概要、将来の方向性

 ・コンシューマ事業本部の概要、製品群、今後の主なラインナップ戦略

 ・宮津精密の新規投資に対する当社の期待

 ・宮津精密の既存事業に対する協業

 ・今後の検討スケジュール


 MA推進部の過去資料も参考にしており、一通りのストーリーは成り立っていた。


(前回の事業本部向け資料はかなりあっさりとOKがもらえたけど……)


 山田は投影された資料を真剣な眼差しで凝視しながら、ここまで一言も発していない。


 真奈美は胸の動悸が全身で感じ取れるほど大きな不安を感じていた。


 やがて、山田が落ち着いた声で口を開いた。


「うん、ありがとう。じゃ、最初のページから見直しを始めようか」

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