第41話 提案のポイント
プロジェクトの説明が終わると、片岡本部長と山田は今後の進め方についての相談を始めた。
「先ほどのプレゼンでもありましたように、まずは協業について協議をしていただいて、宮津精密さんの興味を引き付けることが重要です」
山田は、最後に追加したページを示しながら再度主張した。
「わかった。我々の事業内容や技術力はある程度知っている相手だ。我々の今後の中期的な将来性を説明した方が効果的だろう。彼らが導入しようとしている新規投資にも関係する話だ」
将来性――これは真奈美がMA推進部に異動希望を出す理由でもあった。
(今回の件、将来のためになるといいな)
真奈美の気持ちは高揚していった。
その反面、ひとつ気になることがあったので、ついつい口をはさんだ。
「あの、当社との協業以外に、宮津精密さんの既存事業に貢献できる取り組みの提案などもできそうでしょうか?」
片岡ははっとした表情で応えた。
「確かに、そういう提案があれば、宮津精密としてもさらに魅力を感じられないかもしれないな。佐々木さん、検討できそうか?」
話を振られたのは企画部長の佐々木だ。
「そうですね。一度アイデアを検討してみます」
山田もフォローに入った。
「ありがとうございます。対象会社の価値があがるアイデアは相手も喜びますし、我々も投資回収の点で説明がしやすくなるので助かります」
こうして、片岡との面談は順調に進み、来週にでも宮津精密との面談を申し込もうということになった。
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