第14話 NDA締結ほぼ完了
山田との打ち合わせを切り上げた真奈美は、早速中野に声をかけた。
中野はMA推進部の雑務を一手に引き受けてくれている若手アシスタントである。
「中野さん、契約の締結に関していろいろ教えていただきたくて。いま時間大丈夫?」
「酒井さん、はい、いいですよ。山田チーフの声大きいから聞こえてましたよ」
若い中野はオフィス内みんなに聞こえそうな大きな声でひとしきり笑うと、一転して小声で続けた。
「……山田チーフって、いつもニコニコしているわりに、指示は結構スパルタですから。酒井さんも気を付けてくださいね」
「は、ははは、やっぱりそうなんだね。うん、ありがと」
真奈美は少し背筋が寒くなり身震いしながら苦笑した。
そうして中野にいろいろ教えてもらい、決裁書はすぐに上申、翌日には無事に決裁を取得、そして契約書原本も印刷・製本完了。会社印の捺印手続きを終え、会社印を押してもらい、2通の契約書が完成した。
その契約書原本を郵送する前にPDFを取り、メールで投資銀行に送ると同時に、原本送付の手続きを終えた。
そして、しばらくすると返答メールが来た。
『NDAのPDF共有いただきありがとうございます。
それでは、対象会社様の確認を終えましたらすぐに連絡させていただきますのでしばらくお待ちください』
(よし、これで初仕事、NDAミッション完了だ!)
真奈美は一時の満足感を味わっていた。
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