第13話 決裁・締結手続き

 NDAの内容に合意したはいいが、その後どう手続きしてよいかわからないことだらけだったので、真奈美は山田に相談をしに行った。


「よかったね。無事決着できて」

「はい、ありがとうございます。それで、この次なんですけど、決裁書を取らなきゃいけないんですよね。あと調印者だれにするかとか相談させてもらっても良いですか?」

「そうだね、じゃあ、ちょっと打ち合わせコーナーで段取り決めようか」


 真奈美は山田に連れられて打ち合わせコーナーに向かった。


「まず、決裁書を作ってもらうんだけど、まあこれまでも何度も事例があるから過去のサンプル見て適当によろしく」

「は、はい」

「決裁者と調印者は部長にしてもらって、あと契約書はクリーン版にして2部印刷、袋とじとか捺印とかわかる?」

「え、ええーっと、よくわからないです」

「そっか、そりゃ初めてだしわかんないよな。じゃあ、そこらへんは中野さんに聞いてくれたらだいたい教えてくれると思うから、あとで聞いてみて」

「は~い」


 M&Aのことについてはかなり丁寧に手厚く教えてくれていた山田だったが、雑務的なことになると途端に大雑把になる。


 真奈美は異動後の1週間ちょっとだけだが、この間山田に振り回されたおかげでなんとなくそのペースにも慣れてきている自分に苦笑した。


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