第2話 初めてのノンネームシート
山田は自分のPCをプロジェクターにつなぐと、プロジェクト名が書かれている資料の表紙を映し出した。
「これは、投資銀行から送られてきたノンネームシートという資料なんだ」
「投資銀行ですか?普通の銀行とは違うんですよね?」
山田は投資銀行について、普通の預金などを行う銀行ではなく、主に法人の取引代行やアドバイスを行う銀行業務のことであり、日本では証券会社とか、あと外資系投資銀行でいえばGSやMSやJPMとかがあることを簡単に説明した。
「ありがとうございます!投資銀行聞いたことありますね。頭よさそうな人たちですね」
「ぼくらもM&A進めるときにはアドバイザーになってもらうことも多いから、また機会があればどんどん紹介するよ」
山田は表紙をめくると、画面にはカラフルなプレゼン資料が映し出された。
どこかの会社紹介資料のようだ。
プロジェクト名、会社の概要、事業内容、財務ハイライトなどが簡潔にまとめられていた。
「ノンネームシートはね、『会社名は内緒だけど興味があったら声をかけてくださいね』という初期的に買い手候補を探すための紹介資料なんだ」
「なるほど……たしかに、会社名書いていないですね」
「そう。でも会社の特徴はわかるでしょ」
「はい。財務内容はかなりざっくりですが安定しているようですね」
財務ハイライトについては、売上高・営業利益・EBITDAの推移のグラフが載っているだけだった。
真奈美は経営管理の経験から事業や財務については知識が蓄積されていたので、すぐにそこに目が行った。
「お、さすがだね。パッと見で感触がつかめるのはすごいよ」
「ほんとですか~♫」
真奈美は褒められてすっかり気分が良くなった。
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