第6話 俺なんかでいいの?
「―――昨日は大変でしたね。よく勝てましたね。」
受付嬢のアンヴィルがまた机に座って来た。そういえば、昨日受けて欲しいクエストがあるとか言って、あんな事になったんだった。
「・・・で、そのクエストって何だよ。」
「それはですねー。」
「ちょっと待ったー!」
うわ出たよ、もう元気になってんじゃん・・・。入院しているんじゃなかったのか・・・?
女騎士ルヴィが、また背後から声を掛けて来た。
「・・・・何だよ。」俺も、嫌そうに反応する。
「そのクエストとやら、私も連れて行って。」
「えぇ・・・。」
「そんな露骨に嫌そうな顔をしないでよ。」
「いやまだ受けるかどうか決めて無いから。」
「受けましょう。ていうか、私とパーティ組まない?」
「マジで言ってる?」
願ったり叶ったりな話だ。
SSランクの女騎士と組めるなんて、マジで昨日の時点では考えてもいなかったからだ。
「当然でしょ。私より強い冒険者なら組んでもいいなって思ってたのよ。」
「強くねーって多分、昨日のはまぐれだって。」
実際、砂利ぶつけただけだしなぁ・・・。あれを勝利と呼んでいいのか微妙だし・・・。
「謙虚ね!ますます気に言ったわ。」
「・・・ああ、もういいや・・・。」
―――また昨日みたいにトラブって決闘になったら、次の自分には勝ち目が無い事は分かっている。
次はきっと、砂利対策をしてくるだろう。もしそうなれば、俺はあっけなくやられるだけだ。あのえぐい禍禍しい魔剣にやられて。
・・・仕方無い。このヤバいと噂の女騎士とパーティを組まないと、なんかもっと悲惨な事になりそうだし、いいか。多分滅茶苦茶強いだろうし、こいつ。
「分かったよ。正式に登録だ。パーティを組もう。よろしく。俺はルーズ。」
「私は女騎士のルヴィ、よろしく。」
こうして、俺は不幸中の幸いか、はたまた幸運中の不幸なのか。
戦闘狂として知られるヤバめな女騎士と仲間になった。
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