第4話 こいつヤバい女の匂いがするわ
女騎士ルヴィ。
金髪の長髪を靡かせ、透き通るような白い肌に青銅の鎧を軽々と身に着ける期待の新星である。鎧の胸位置の出っ張りが尋常では無いので、相当巨乳なんだろうな、という感想が浮かぶ。ただ、綺麗めな顔立ちとは裏腹に、野生で育ったような雰囲気が滲み出ている為、なんかエロそうだな、とかそんな気持ちは一切浮かばなかった。
・・・嘘です。ごめんなさい。なんか、ギャップで逆にエロいまでありました。なんで冒険者してるの?おじさんが養ってあげるねっていって、ホイホイ夜の街に消えていきそうな雰囲気さえ浮かびました。
そんな奴が、俺に何の用があるのだろうか。
「俺、レントですけど、はい・・。」口を拭いながら答える。いかん。何か童貞っぽくなっちゃった。いや童貞なんだけど。
「Sランクおめでとう。勝負しない?」
「するか馬鹿」
――――そう、こいつはちょっと問題児なのだ。
俺の所にまで噂が入って来るのだから相当だ。
女騎士ルヴィはちょっとイカレていて、自分が興味を持った相手に対してすぐに勝負を挑もうとするのだ。強者に飢えているらしい。
――――あと、こいつが使って来るスキルに、少し問題があるみたいで。
だから、もし女騎士ルヴィに挑戦を仕掛けられたら、強い言葉で突っぱねる必要がある、と、冒険者のフラットに昨日酒の席で教えて貰ったばかりだった。
ありがとう、フラット。マジ助かった。
「その手はもう通じないわ。」ルヴィが口元を極端に吊り上げ、戦闘狂が相手をいたぶり殺した後にするような表情を浮かべていた。
ねぇ、フラット。話が違うじゃない。地獄に落ちてくれ。
「・・・いや、昨日の今日で疲れているんだ。」必死に取り繕う事にした。
「関係無いわ。」
「そうやって、弱っている相手としか戦わないのか?」ちょっと、煽ってみる。
「何言っているのよ、全然ピンピンに元気じゃない。それより、
ルヴィの表情を見て、何か事情が絡んでいる事を悟った。
俺が《リミオン》を倒したせいで、何か彼女の中であったのかもしれない、と思うと、こうして戦いを挑んでくる理由も推察できなくも無かった。
――――が、それとこれとは、話が別である。
わざわざランク格下の相手とやりあう必要は無い。俺はSランクだ、だから多分、戦う意味も無いだろう。
・・・念の為聞いてやるか、ルヴィのランク。
「じゃあ、俺よりランクが高ければ勝負するよ。」
「だから、私SSランクだから。」
「すみませんでした許して下さい。先程の発言取り下げて下さいませ。」
次の瞬間には、俺は土下座していた。元奴隷だからか、土下座には慣れていた。
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