第71話

     Seesaw


 その日は朝から、嫌な感じがしていた。放課後になり、伊丹の暮らすマンションに向かうと、そこにいたのは伊丹の同級生、志倉 祐奈だった。

 同じ学校の生徒も勿論ここにくるけれど、違う学校の生徒の方が圧倒的に多い。広くサイトで性についての悩みを抱えた女の子を募っている、というので、逆に近くの子でないケースの方が多いのだ。

 伊丹も戸惑っていた。それは志倉がここに来た理由を聞いたときだ。

「アナタたちのセックスをみせて」

 見るフェチか? 「見て、どうするつもりだい?」

「私もまだ、決心がつかないの。見たら、してみたくなるかも……」

 志倉の前で、オレと伊丹がセックスをすることになった。


 伊丹は小学六年生にして、かなり大人っぽい体になった。オレが知る中では、別格であるリアと、幣原に次ぐといっていい。それは彼女が小学二年生からセックスをしてきた影響……? 当時は心がとげとげしていたけれど、今では丸く、優しい少女に育っていた。

 まずは服をきたまま、濃厚なキスをかわす。彼女はオレの腰に手をまわしてくるけれど、オレは彼女のスウェットの下に手を入れ、ブラのホックも外してその生乳を愉しみつつ、口の粘膜をこすり合わせるようにして、その唾液すらまじりあうぐらいの濃厚なキスだ。

 ちらっと志倉をみると、真っ赤な顔をして、口をあんぐりと開けて、瞬きもせずに見つめている。

 伊丹はもう目をつぶって、エッチを愉しむモードだ。ここでは3P、4Pになることもあって、他人の目は気にならないようだ。ただ、オレは彼女の服を引き剥がす前に唇を離すと、そっとその耳に口を寄せる。彼女は驚いた様子でパッと目を開けるも、小さく頷く。

 次の瞬間、オレと伊丹は志倉にとびかかっていた。


 オレが志倉を後ろから羽交い絞めにすると、急にそんなことをされたため、「嫌、止めて! 何をするの⁈」と、うろたえた様子だ。そして伊丹が、彼女の左腕に巻かれた腕時計を外しにかかる。

 志倉もその意図を知り、さらにうろたえるけれど、どうすることもできず、伊丹が腕時計を外した。

「やっぱり、盗撮か……」

 それは腕時計型のカメラであり、相手に知られずに動画も撮れる優れものだ。

「セックスをみたいんじゃなく、撮影したかったのか?」

 羽交い絞めにしたままそう尋ねると、彼女は無言になってしまう。しかし、ここを運営している側が何を禁止しているのかは知らないけれど、事件にすらなりかねないことを赦すわけにはいかない。

 彼女はうつむいたまま「……抱いて下さい」と、小さな震える声でつぶやく。

「それは贖罪?」

「バレたら抱かれてきなさい……と言われたから……」

「言われた? 誰に?」

 彼女はしまった、という顔を浮かべて沈黙してしまう。伊丹も、同じクラスになったこともある、という志倉に「あなた……」と問いかけるも、志倉の方が目を合わせようとしない。

「伊丹、キスしてあげなよ」

 オレにそう促され、伊丹も顔を寄せていく。志倉も慌てて「ま、待って? 私まだ誰ともキスしたこと……」

 その言葉が終わらないうちに、志倉のファーストキスは伊丹に奪われていた。


 後ろから男に羽交い絞めにされ、同性で同級生とのキス……。しかも伊丹は彼女の制服のボタンを外すと、その中に手を差し入れ、スポーツブラも引きずり上げて、その乳を揉む。

「誰に命じられたか教えないと、もっと酷いことをするぞ」

 彼女を羽交い絞めにしたまま、わざと固くなった股間を彼女のお尻におしつけ、さらにこすり上げる。

 志倉は真っ赤な顔でぎゅっと口をつぐみ、その恥辱に耐えている。そこまでして話したくないのか……。抵抗する意志もなくしたようで、羽交い絞めにしていた手を彼女の胸にまわす。まだやっと盛り上がってきたぐらいで、伊丹がだいぶ責めていたので、すでにその先端にある乳首がぷっくりとしている。

 耳の裏から下を這わせ、彼女の口へと達する。これも伊丹からだいぶ責められていたので、緊張がほどけていて柔らかく、また若干こすれて充血しているのか、唇もぷっくりと感じられた。

 その間に、伊丹は彼女の服を脱がせる。後ろからオレに胸を揉みしだかれ、唇を吸われながら、志倉はどんどん裸に剥かれていく。

 盗撮をしようとした彼女が、一番先に全裸となり、オレと伊丹から代わる代わる責められるのだ。

「ほら、誰に命じられたか言わないと、ここにぶち込むぞ」

 指で責めているけれど、もうすでに脳がとろけているのか? それとも羞恥心で心を閉ざしたのか? とろんとした目をして、それを受け入れている。

 こういう形でしたくはないけれど、ここを盗撮なり、周りにバラされると、色々な人に迷惑をかけるのだ。

「いくよ」

「ひゃ~~ッ! だめ~~ッ‼」

 急に我をとりもどし、手で抑えようとするけれど、そのときにはもうオレのそれがぐっと奥まで入っていた。

「あ~……。入った、入った」

 接合されたそこを、手でなんとか抜こうとするのか、指を這わせてくるけれど、無駄な足掻き……というか、指掻きだ。

「抜いて欲しかったら、誰に命じられたか、言え」

「…………」

「強情な奴は、こうだ」

 激しく律動すると、志倉は「ダメ~……、嫌~……」と拒否するような言葉を発しつつ、腰はオレの動きを助けるよう、やや持ち上げる形で、逆にスムーズに動くことができるようになっていた。


 伊丹はオレの上にまたがり、自分で動くタイプのエッチをする。今回はオレの方を向いているので、オレはその揺れる胸を眺めつつ、彼女が達するのを待つ……というのがいつもの形だ。

 頬を紅潮させながら目を閉じ、全身でそこにあることを感じているように、小さく「あ……、あ……」と声をだして、気持ちよさそうにする。

 でも、その後が少しちがってきた。達すると、彼女は感謝の言葉を述べ、授乳と呼ぶ行為をしてくるなど、少し変わった性癖をもっていた。それが少しずつ解消されてきたのだ。

 彼女がぐっと顔を上げ、イッたことを確認すると、オレはすぐにその体を抱きしめると、まだ脱力したままの唇にキスをする。そうして言葉も、行動もできなくして、奇妙な性癖を抑えているのだけれど、むしろ彼女は、その事後を愉しむように変わってきたのだ。

「へぇ~……。伊丹さんも、そんな顔するんだ。いつも男なんて興味ないってほどのクールさなのに……」

 隣では、もう足腰も立たなくなっている志倉が、横たわりながらそう声をかけてくる。初体験で3P、しかも同性の伊丹からも責められ、くり返し達したことで、体に力も入らないようだ。

「そんなことを言っていると、こうだ!」

 さっきまで処女だった志倉だけれど、今はもうエッチが懲罰ではなく、ご褒美となっていて、突き立てると歓喜の声を上げる。

 今回は、頭痛ではなく嫌な感じだったけれど、下手をすれば犯罪になっていた可能性もあるのだ。誰かに命じられ、ここに盗撮にきた……。それは、これからも暗い影を落とすだろう。

 来年には彼女たちも中学生――。同じ学校の中で、エッチをしたことのある相手がいることで、色々な問題も起きてくるはずだった。










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