第53話

     Recall


 モデルの高城の部屋に来ていた。彼女はモデルとして貞操を守ってきたけれど、ある事件がキッカケとなり、仕事をつづけるためには、体を張って仕事をする機会もあるかも……と、オレと初めてを体験した。

 それ以来、何度かこうして呼びだされている。

「エッチが好きになったみたいだね」

「でも、まだアナタ以外とするのは怖くて……」

 彼女は高二で、中一のオレとは四つもちがうため、やはり恋人という雰囲気ではない。もっとも、高城はオレのことを上八尾 リア――、モデルとしては宮緒 リアの彼氏だと思っているから、彼氏を貸してもらっている……という感覚だろう。だから気楽、というのはあるかもしれない。そして、モデルとしては恋人をつくるのも……と考えている彼女にとって、オレは呼べば来てくれ、エッチをしてくれる相手ということだ。

 最初にくらべると、胸も少し大きくなってきたか……。腰回りもふっくらとしてきて、最初にエッチしたころのような、ただほっそりとした、モデルとして体型を気にしていても、どうにも痩せただけ、という印象からは少し変わってきた。

 彼女は感じやすい体質だし、エッチをするたびに女性らしさを増しているようにも感じる。オレが腰をつかっていると、自らオレの手を自分の胸にもっていって、もっと揉んで……と言わんばかりだ。オレも激しく胸を揉むのではなく、そこに肉をもっていくような、マッサージとして胸を揉む。何しろ、彼女はモデルとしてまだ活動する、といっているのだから、その体のケアを怠らず、そんな彼女に協力するのが、レンタルされた彼氏の務めだから。


 彼女が疲れてきてやっと満足した様子でぐったりする。二時間と経たないうちに二桁もイッたのだ。それは疲れるだろう。オレの場合、イカずに立ちつづけるので、あるとしても体の疲労ぐらい。筋肉的な部分では、若さという回復力が高い要素もあるので助かる。

 心が七十七歳で、体が十三歳というのは、こういうところで便利なものだ。

「今度……仕事が決まったの」

「モデル?」

「ううん。演技の仕事。CMに出ることになって……」

「へぇ~。すごいじゃない」

「メインじゃないけどね。ジュースのCMだから、探してみて」

 そう言いながら立ち上がろうとして、腰が抜けたように座り込んでしまう。

「こ……これが、足腰が立たなくなるってことね」

「ムリしなくていいよ。一人で帰るから」

「ダメ。ちゃんとお見送りしないと……」

 彼女は部屋着を着ると、マンションの下まで見送ろうとついてくる。オレが便利な点は、オレが出すことがないので、その後でシャワーを浴びなくても、多少の唾液まみれということを除けば、そのまま帰ることができる点だ。

 エントランスに降りていくと、ちょうど女子中学生が帰ってきたところだった。

「あぁッ! あなたは……」

 向こうも驚いた様子だが、オレも驚いた。それは野崎 奏美の中学の文化祭にいったとき、エッチもせずに帰った子だったからだ。

「え! 小糸ちゃん、知り合い?」

「お姉ちゃんこそ……、え? えぇッ⁉」

 オレも唖然とした。高城 楓未……。兵頭 小糸……。少女たちから見つめられても、簡単に説明がつきそうもなかった。


 仕方なく、また高城のマンションにもどっていた。

 高城 楓未はモデル名で、兵頭 楓未が本名なのだそうだ。兵頭、という名前が可愛くないので、そうしたのだけれど、モデル仲間でも本名を知っている人間の方が少ないらしい。

「お姉ちゃん……。まさかと思うけど……」

「……やりました」

 まるで観念した様子で、楓未はそういって頭を下げる。

「え~ッ! 私、お姉ちゃんが処女だったから、守ったのに!」

 なるほど……。あのとき、彼氏とのエッチに満足しない子の中で、彼女やわずかなメンバーが処女であり、特に彼女は泣いてしまうぐらい、拒否感が強かったのだ。そこで何もせずに帰したのだが、あの涙はお姉ちゃんの先をいくことを、躊躇う涙だったか……。

「でも、モデルのお仕事をする上で、体を求められることもある……と思って、それなら体験しておこうと……」

「モデルで体を求められるって何? そんな業界なの?」

「そういうことがあったのよ。でも、断った……というか、断らざるを得なかったんだけど……。それで、モデル仲間の彼氏のこの人にお願いして……」

「何それ? どういう関係? というか、アナタはお姉ちゃんのモデル仲間の彼氏なの? それなのに、エッチしまくるって……」

 オレに怒りの目が向いてきた。

「その子は放任主義なんだよ。キミのお姉さんとエッチすることも同意している」

「物分かりのいい彼女さんだこと…………で、何回ヤッたの?」

「えっと……、今日で五回目です」

「いつもお姉ちゃんの部屋で?」

「…………はい」

「もう……。お母さんが仕事、私も部活、そんなときに何をしているのよ」

 さっきまで、身悶えしていた高城……もとい、兵頭が肩をすぼめて、小さく身を縮めている。


「私もエッチする!」

 小糸がそう言いだした。「お姉ちゃんが非処女だっから、私もあのとき拒否したのに……。もう我慢する必要ないもん!」

「待って。私のことで、そう簡単に決めないで」

「だって……。お姉ちゃん、モデルの仕事をするのに、そういうことをしていちゃいけないって。だから彼氏もつくらないんだって……。私、そういうお姉ちゃんに憧れて、先になったらいけないって思っていたのに……」

 姉妹はあまり似ていないと思っていたけれど、並ぶと似た個所があることに気づく。それは姉に憧れ、似せようと妹も努力する結果だろう。

 さっきまで楓未とエッチをしていた部屋で、今度は妹の小糸を相手にすることになった。しかも、隣には楓未がいて、小糸の手をにぎっている……という、何だか奇妙な状態だ。

 姉妹を比べると失礼だけれど、小糸の方がふっくらとした印象で、それは子供っぽさとしてそうだった。モデルとして、体型に気をつけて痩せるよう努力していた楓未との差なのだろう。子供っぽいといっても、あくまで姉との比較であり、中三としてはごく自然な体型である。

 姉よりは感じにくいけれど、敏感な姉妹であることに変わりない。姉にもしたように、丁寧に各性感帯を責めると、彼女は身悶えして感じてくる。オレもさっそく挿入することにした。

「お姉ちゃん……、お姉ちゃん……、なんか、凄いッ!」

 オレが動いているけれど、彼女は横にいる姉の方しかみていない。

「うん。もうちょっとだから、頑張って」と、楓未は応援するけれど、まるで出産をするときのようで、何だか調子が狂う。ただ感じやすい小糸は、すぐに「お姉ちゃ~ん……」と叫び、イッた。

 隣をみると、妹の横で、潤んだ瞳でこちらを見上げてくる楓未がいた。

「もしかして、またしたいの?」

 楓未はこくん、こくんと大きく二度、頷く。母親が帰ってくるまで、後二時間。オレは楓未と小糸、二人の姉妹との3Pになり、まだまだ帰れそうもなくなっていた。







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