究極の選択

あかりんりん

ホントは怖い心理学

あなたは小さなボートに一人で乗っています。


食料はありませんが100万円持っています。


辺りは見渡す限り何も無い水平線です。


そこで、天使にも悪魔にも見える妖怪が突然現れ、こう言います。


「フハハハハッ!困っているようだな!仕方ないから助けてやろう!どちらか選べ!」


すると、パネルのような物が目の前に現れて、こう書かれています。


A:100万円を渡して好きな食べ物を一つだけもらう


B:そのまま100万円を持って助けが来るのを待つ


さて、あなたならどちらにしますか?


・・・


あなたは少しだけ迷いましたが、決めました。


「Aでお願いします。食べ物は、えーと・・・長持ちするから豆の缶詰の中身をお願いします」


あなたはそう言いながら頭を下げます。


「ヨシヨシ!じゃあ100万円いただいてからお前の望む物を出してやろう!」


妖怪はそう言うとポンッと手を叩きました。


するとあら不思議、100万円が消えた代わりにたくさんの豆がボートの上に現れたのです。


あなたはとても喜びました。


「これでまだ何日か持つことが出来ます。どうもありがとうございます」


「良いってことよ」


妖怪はそう言ってパッと消えていなくなりました。


・・・


妖怪はあなたとは離れた場所で100万延を持ってニヤニヤ笑いながら言います。


「まったく、人間はつくづくバカな生き物だな。2つの選択肢を与えたらそれだけで選ぼうとする。他にも100万円あげるから家に返してくれだの救助船を呼んでくれだのたくさん方法はあったろうに。」


そうです。


あなたは見事に妖怪に騙されてしまったのです。


さらに、騙されたことに気が付かず、喜んでさえいます。


これでは何度も騙されてしまうのが見えてしまいますね。


解説すると、これは心理学だと「二者択一法」や「ダブルバインド」などと呼ばれる「相手をコントロールしようとする」方法です。


人間は与えられた選択肢の中でどれが一番良いのかを咄嗟に考えてしまうのです。


他にも例を出すと、ハンバーガー屋に来て、食べたいハンバーガーを注文すると、店員が


「サイドメニューのポテトかサラダはいかがですか?」


と聞かれ、とっさに


「あっじゃあポテトで」


などと特に食べたい訳では無いのにも関わらず注文してしまうのです。


それではどうすれば良かったのか。


対策方法、それは「逃げる」ことです。


もちろん、ハンバーガー屋から逃げてしまっては不審者となってしまうので、距離を置くという意味です。


具体的には


「あとで注文します」


などと言って一旦離れてゆっくり考えます。


「ポテトもサラダもいらないなぁ・・・あっ、そういえば喉が乾いていたからジュースにしよう」


などと、゛別の選択肢を自分で゛考えるのです。


説明が下手ですが理解出来ましたでしょうか。


ちなみに、インターネットで調べるとこのような話がたくさん、もっと丁寧に書かれてありますので、興味がある方は是非ご自分で調べていただき、是非、騙されないように身に着けておいて下さいね。


・・・


おっと、先程の妖怪を見ながら後ろの方で神様が怒っていますね。


一体どうしたのでしょうか。


神様の言葉を聞いてみましょう。


「まったく、呆れたやつじゃ!天使になるつもりが無いなら悪魔にでもなれ!と言ったらお前は゛どっちもイヤです゛と言って結局中途半端な堕天使のような妖怪になりおって・・・天使か悪魔かの選択肢を与えたにも関わらず他の選択肢を選ぼうなどと、まったく・・・ブツブツブツ・・・」


あらあらあら。


時には相手が提案した選択肢の中で決めることも、大事なのかもしれませんね。


以上です。

読んでいただきありがとうございました。

他にも成功例を出すと、先日、義理父(旦那父)との実家暮らしで新居を欲しがっていた女性の友人に二者択一法を説明し、旦那さんに

「家買おうよ!新築一戸建てかマンションだったらどっちが良い?」

と゛買う選択肢のみ゛与えたところ、それまでは乗り気で無かった旦那さんがだんだんと買う気になり、半年も経たず、新居を買う事が決定したそうです。

ただし、心理学はwin・winの関係が大切なので、人を騙したり悪いことに使ってはいけませんよ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

究極の選択 あかりんりん @akarin9080

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る