そこに君がいて
虹のゆきに咲く
そこに君がいて
白い幻の中に僕はいたのだろうか
それとも、現実が呼んでくれたのか
それはわからない
遠くから想いが僕を呼んでくれた
それは最後の高校生活での出来事
ああ、今日も補習だったか
夏の時期に自転車で家まで帰るのは辛いな
4キロもかかるからな
そういえばあそこに大きな病院があったか
窓から女の子が手をふっている
え
自分に
そうだよな
俺しかいないから
どうしよう
恥ずかしいな
知らないふりしておこう
女の子は病気なのかな
入院しているということは
でも、色が白くてきれいな子だったな
正直、うれしい
翌日
ああ、また今日も補習か
ところで、あの子どうしているのかな
ここか大木総合病院
え
また、手をふっている
優しい笑顔だ可愛いなあ
どうしようかな
もしかして
俺に気があるのかな
まあ、可愛いし
手をふってみよう
おお
優しく手をふってきた
どうしようかな
まあ、いいか
恥ずかしいしな
さらに翌日
今日はどうなんだろう
大木総合病院だな
やはり優しく手をふっている
どうすればいい
あんなきれいで可愛い子が彼女だったらな
病院に入院しているのか
病気なのかな
僕は彼女の事が気になって仕方がなかった
大木総合病院にて
「事務員さん、すいません」
「あの病室の女の子に面会したいのですが」
「わかりました」
「ちょっと待ってください」
「ええと」
「どうでしたか」
「それは本人ができないとの事でした」
え
「仕方ないからね」
「はい」
どうして
手を振るくらないなら、俺に気があるだろ
翌日、病院事務員室前にて
「すみません」
「名前だけでも教えてもらえませんか」
「ちょっと聞いてきます」
「う~ん」
「それも駄目みたいです」
「わかりました」
悪戯が風に乗ってきているのだろうか
そうであってほしくなかった
なぜなら、僕はさびしかったからだ
毎日、少女は優しい笑顔で手をふり続けた
僕も彼女に心を寄せていたから手をふった
周りがみたらどうみても恋人同士なのに
どうして
そうだ
声をかけてみよう
どうして
気づかなかったのかな
俺って馬鹿だな
でも、庭木があって距離があるな
それに、2階に入院しているしな
声が届くかな
よし
「僕は明というけど」
「君は誰」
あれ
悲しそうな顔をしている
聞こえないのかな
仕方ない
これ以上は聞けないな
何か理由があるのだろう
切ない想いは届かないのだろうか
それは、ふとある時だった
キーン・コーン・カーン・コン
「みんな、聞いてくれ」
「今日から転校してきた生徒を紹介する」
「鷲谷水樹さんだ」
「仲良くするように」
え
あの子じゃない
どうして
退院してきたのかな
でも、よかった
これで話せる
勇気を出して声をかけてみよう
水樹さん、いつも手をふってくれていたね
ありがとう
うれしかったよ
今からも仲良くしてね
え
誰の事ですか
ええ
僕だよ
わからないの
ええ、初めて会いましたけど
不思議な世界に僕は足を踏み入れた
なぜだろう
もしかして双子か
そうか
水樹さん
もしかしたらだけど
大木総合病院に妹さんが入院していないかな
誰ですか
私は妹も姉もいませんけど
本当に、双子じゃないの
水樹さん
からかっているでしょ
え
何をですか
本当に僕を知りませんか
はい
時は夏だった
明さん
暑いですね
水樹さん
そうだね
明さんは何か趣味とか好きなものありますか
映画とか見られますか
そうだね
ホラー映画とか好きかな
音楽とかは
僕はギターをしているよ
そうなんですね
一応バンド組んでいるんだ
是非、聞きたいです
私はピアノを弾けるから
キーボードくらいなら弾けますよ
それなら、僕達のバンドに入らない
はい、是非
ことばにならない切なさが僕を襲う
水樹さんが転校してきたとたんに
大木総合病院の女の子がいなくなった
ありえない
なぜだろう
どうして
水樹さんはバンドに入りたかっただけなのだろうか
さすがピアノしているだけあって
キーボードは上手いですね
そうだな
明、お前が水樹さんを誘ったのか
いえ
私がお願いしました
おお、水樹さんは
明の彼女か
いえ、違います
そうだよ
失礼なことを言うなよ
僕は次第に水樹さんと親しくなっていった
彼女も僕のことに興味があるようで
いろいろ僕のことを聞いてきた
明さんは誰か気になっている人はいますか
ん、まあ
いることはいるけど
誰ですか
教えて下さい
まあ、いいじゃない
そうですね
ああ、今日も暑いな
夏の自転車帰りは辛いな
大木総合病院のきれいな子がいるじゃないか
え
手をふっている
どうして
久しぶりだけど
どうしたの
僕は大きな声で聞いた
やはり、返事がないか
どうして、暗い表情をするのかな
明さん、明さん
どうしたの水樹さん
やっぱり気になる人を教えてほしいな
いや、それは
まあ、いないかな
そうなんですか
どうして
そんなに落ち込むの
おい、明
お前も鈍感だな
なにがだよ
わからないのか
わからないよ
もういいです
気になっていたけど暑い日に自転車で
え
また、手をふっている
どうして、僕の想いは伝わらない
手を振てくれるなら
想いにこたえてほしいな
悲しさが僕の自転車を押してくれた
明さん、気になる人を教えてほしいな
まあ、それは秘密かな
ごめんね、水樹さん
僕が気になるのは君なんだ
病室から手を振る君だよ
名前がわからないけど
話しかけても返事がない
どうして
僕のことが好きなんじゃないのかな
そうじゃないと
手をふらないだろう
病気だから
そうなのかな
何か理由があるのかな
そうだ
手紙を渡せばいい
どうして、今頃気づく
よし
僕は明
君は誰かな
いつも手をふってくれて
うれしいよ
でも、返事がほしいな
手紙を事務員さんに渡すから
病院の事務室前にて
事務員さん
この手紙を入院している子に渡すのはいいでしょ
ああ、渡すだけならな
だが、読むかどうかはわからないぞ
きっと読んでくれますよ
よし、明日、返事をもらいに行こう
事務員さん、手紙を預かっていませんか
いや
手紙を渡してくれたんですよね
ああ
渡したよ
どうして
そうか、入院しているから
体調も悪いのかな
また、明日行ってみよう
今度こそ、きっと
事務員さん
今日は手紙は預かっていますよね
いや、預かっていないな
どうしてですか
さあ、そこまでは
じゃあ、読んだかどうか聞いてくれる
まあ、君の気持ちはわかったから
聞いてあげるよ
翌日
事務員さん
どうでした
それが、悲しそうで
返事しないんだよ
そうなんですか
僕の思い違いかな
ただ、寂しかっただけなんだろう
仕方ない
でも、悲しいな
明さん
ああ、水樹さん
どうしたの
一緒に
帰りませんか
ああ、いいよ
どうして、明さんは
最初に私を誰かと間違えたのですか
それは、容姿が全く同じだったから
今も区別がつかないくらいだよ
その女の子と私とどちらが好きですか
それは言えないな
そうですよね
私は明さんのいろいろなことを知りたいです
どうして
それは教えられません
そうなんだ
昨日は何をしていました
ああ、こうしていたよ
なぜか、水樹さんは僕に興味があるのか
毎日の出来事を聞いてきた
僕のことが好きなのに間違いない
でも、僕が好きなのは病院に入院している女の子だ
見た目は全く同じだけど
君だよ
やさしく手を振ってくれる君だよ
そうだ
いい方法を思いついた
手をふっているだけじゃ駄目だ
声をかけるだけではなくて
違う方法で手紙を直接渡そう
普通に渡したら届かないから
紙飛行機で投げるんだ
そうしたら
受け取ってもらえる
いい考えだ
よし
手をふっている
自転車から降りて
準備した手紙を紙飛行機を投げよう
勇気をだして
あれ
彼女の笑顔が消えた
不思議そうにみている
でも、庭木が邪魔だな
しかも2階だ
でも、投げるぞ
ほら
あ
届かない
あ、彼女が見えなくなった
どうして
でも、明日もチャレンジしよう
ほら
あ
届かない
今日は
え
彼女が紙飛行機を持っている
こっちに投げた
あ
庭木に落ちた
探さないと
どこだ
草むらと庭木でわからない
どこだ、どうして
君は誰
僕は明というけど
あ、姿を消した
どうして
彼女の手紙には何と書いていたのかな
気になるな
彼女に会いたい
どうすれば会えるのかな
どうして、彼女は拒否をする
でも、紙飛行機は送ってくれた
全く嫌なわけではないはず
何か理由があるのかな
黒くて長いきれいな髪
透き通るような白い肌
思えば水樹さんとは違う少し違う
僕の気持ちはどこに持っていけばいいのか
よし
今日こそ
え
また、彼女が紙飛行機を投げた
よし
届いたぞ
なんて書いてある
早く開かないと
え
何も書いていない
どうして
彼女の目から涙が
そして姿を消した
あれ、水樹さんじゃないか
水樹さん
どうして大木総合病院へ
水樹さん、どうしたの
少し体調が悪くて
そうなんだ
顔色が悪いよ
え
どうして泣いているの
いえ
痛くて痛くて
どうして
気にしなくてもいいです
悩み事もあったりで
そうなんだ
何でも言ってね
僕が相談にのるから
もういいです
どうしたの急に
いえ
水樹さんは走って帰って行った
明
そういえば
最近、水樹さんが元気がないな
そうなんだよな
そういう僕はもっと気になることがあった
最近になって、病院の彼女の姿がないからだ
今日はいるかな
いない
今日こそいるよね
いないか
そういえば、何の病気なんだろうか
多分個室だよね
個室の窓から手をふっているんだよな
でも、どうして優しい笑顔なんだろう
何もできない自分が情けない
紙飛行機は何度送ってもとどかない
彼女もあれから紙飛行機は投げてこない
話しかけても返事もしてくれない
どうしてだ
いつもあるのは優しい笑顔だけ
どうすればいいんだ
水樹さん
どうして泣いているの
いえ、何でもないの
何かあったら言って
変化があったののはそのころだ
彼女の笑顔がどことなくさびしい
笑ってくれてはいるけど
どうして
どうして、僕の紙飛行機が届かない
せめて一階なら
あ
彼女から紙飛行機が届いた
なんて書いてあるのだろう
何も書いていない
どうして
明、そろそろ卒業だな
バンドも今度の演奏が最後だな
水樹さん
やけにノリがいいね
そうですか
でも
僕にはそう見えなかった
卒業をむかえ
僕は大阪から東京の大学へ進学が決定になった
結局、彼女と話すらできなかった
水樹さんといえば
やけに元気がいいけどなんだか寂しそうだ
やはり、僕のことが好きなのかな
なんて、僕の考えすぎか
でも、水樹さんは僕のことばかり気にしていて
僕のことをなんでも知りたがっていたな
病院の彼女は毎日笑顔で手をふってくれている
最近は寂しそうな笑顔だったけど
今日が彼女と会える最後の日
結局何もできなかった
話することさえ
ただ、ただ笑顔の交換だけだった
何だったんだろう
もう、一度だけ思いを込めて紙飛行機を投げよう
せめて、想いがとどかないだろうか
見知らぬあなたへ
僕は明、何時も書いているけど届かないんだよね
いつも、笑顔で手をふってくれてうれしかった
僕は東京の大学に進学する
君に手をふるのも最後かな
僕は君が好きだよ
それだけだよ
さよなら
元気でね
明
よし、投げよう
えい
届いたぞ
最後の祈りか
あ
彼女も紙飛行機を投げた
届いた
今日も何も書いていないのかな
明さん
水樹は私の双子の姉です
内緒にするようにお願いしたのです
明さんのことをこっそり聞いてほしくて
私は毎日、姉から明さんのことを聞くことができ
胸をときめかせていました
私は癌で長く生きることができません
今からは次第にやせ細って髪の毛も抜けていきます
ちょうど、明さんは東京の大学に進学するのですね
もう、手をふることができなくなる辛さもありますが
明さんに私の変わり果てた姿を見せることがなくて
よかったかもしれません
明さんのことを想って頑張ります
明さん頑張って下さいね
美鈴
美鈴さん、どうして・・・
東京にて
僕は事情があって大学に進学できず就職することになった
おい、明
丸山大学病院には営業に行ったか
いえ、なかなか行く余裕がなくて
馬鹿野郎
営業は時間を惜しんだら駄目なんだよ
何回言ったらわかるんだ
あそこで最新の医療機器を売らないと駄目だぞ
お前の営業成績もいつも最下位じゃないか
申しわけありません
僕は落ち込みながら町通りを歩いていた
あ
水樹さんじゃない
明さん
元気にしていた
はい・・・
よければ
そこの喫茶店でお茶でも飲まない
はい
水樹さんはどこに就職したの
私は丸山大学病院という会社の受付の仕事をしています
え、そうなの
今から営業に行くところだったんだよ
偶然ですね
どうしたの
元気がないじゃないか
いえ
でも良かった
同級生がいたら営業もしやすいな
役にたつかどうか
わかりませんけど
ごめんなさい
私は早く仕事に戻らないと
いけないので
ああ
ごめんね水樹さん
いえ
よし、水樹さんもいるし
営業がしやすい
これで医療機器を購入してくれたら
いっきに営業トップだ
あそこが玄関か
さすが大学病院だけに広いな
え
手をふっている
美鈴さん
どうして
癌は良くなったのかな
そうか
今は最先端の医療技術があるから
癌治療も順調に進んだんだな
よかった
でも
今度こそ話せるな
仕事はどうでもいいや
水樹さん
明さん
美鈴さんは良くなったんだね
はい
どうしたの
元気がないけど
やはり
いえ
美鈴さんに会いたいんだけど
今度はいいよね
水樹さんもいるし
偶然会ったばかりですから聞いてきます
聞かなくていいじゃない
いえ、一応
水樹さん、どうだった
ごめんなさい
会いたくないそうで
どうして
理由はわかりません
美鈴さんは良くなったんだよね
水樹さん、どうして泣いているの
美鈴さんはやっぱり治っていないの
僕は事情があって進学できなかったけど
2年たつよ
水樹さん
どうして黙っているの
やはり、進行が遅くなっただけかな
いえ
それならいいじゃない
どうして泣くの
そうだよね
美鈴さんは仕方ないよね
大丈夫だよ
2年も経過しているし
僕の仕事も医療機器メーカーでさ
最先端の技術が今すごいから
そうなんですね
ごめんね
また来るから
課長
丸山大学病院に行ってきます
営業の方はどうだった
いえ、まだです
話は進んだのか
いえ
何をしているんだ
申しわけありません
とりあえず行ってきます
とりあえずじゃないだろう
馬鹿野郎
はい
行ってきます
僕は課長から怒られようと
美鈴さんに会いたい気持ちでいっぱいだった
よし
着いたぞ
え
また、美鈴さんが手をふっている
どうして会ってくれないんだ
水樹さん
どうして美鈴さんは会ってもらえないのかな
わかりません
どうして
姉妹だろ
明さん
どうしてわかってくれないのですか
わからないよ
美鈴さんの気持ちは
やはり癌が進行して辛いのかな
いえ、違います
本当にわかってくれないのですか
本当に・・・
どうして、水樹さん
もう、手紙も読んだから
病気だということもわかっているし
どうして
水樹さんが泣くの
美鈴さんが可愛い妹だというのは
わかるけど
僕と会わせてくれない理由がわからないよ
ちがいます
何がちがうの
明さんは女性のことがわからないのですか
そうだよね
僕は鈍感だからな
わかりました
案内します
コン コン
あ、美鈴さん
明さん
会いたかったです
でも
でもって
癌が進行しているの
はい
僕は美鈴さんが癌であろうと
ずっと美鈴さんのことを想ってきたよ
そうなんですね
泣かないでいいよ
僕が支えるよ
どうして、水樹さんも泣くの
私はもう半年の命です
美鈴さん
それでもいい
僕が支える
延命治療していないから
そんなに痩せ果てていないでしょ
ああ
もしかしたら
明さんに会えるかなと思って
ずっとついているよ
美鈴さん
本当に女性のことがわからないのですね
これを見て下さい
どうしたの水樹さん
え、僕が書いて美鈴さんに送った手紙
どうして
水樹さんが持っているの
私は水樹ではありません
美鈴です
え
どうして
幸いにがん治療が上手くいきました
でも
姉の水樹に癌がみつかって
じゃあ、今まで話していたのは美鈴さんだったの
はい
どうして、気づいてくれなかったのですか
どうして
でも、水樹さんも
手をふっていたじゃないか
明さん
私は明さんに出会って
ずっと明さんのことを想ってきました
美鈴が癌だってわかっていたから
だから、私の気持ちを伝える事ができなかったのです
そんなどうして
私が水樹なのですか
わかってもらえなかったのですね
仕方ないですよね
双子ですから
2年もたてば
もう
お姉さんも
明さんに手をふるから
勘違いするでしょ
明さん
ごめんなさい
どうして手をふったか
わかりますか
いや
ごめんね
わからない
美鈴になりたかったからです
少しでも明さんの気持ちが欲しかったからです
でも、しょせん
私は水樹ですよね
明さんが恋しているのは美鈴
でも、どうして美鈴だと気づいてあげられなかったのですか
仕方ないですよね
双子ですから
どうすればいいんだ
なんて言えばいんだ
わからない
僕はその場を逃げてしまった
おい
明
丸山大学病院の方はどうなっている
それがなかなか
なかなかじゃすまないだろう
もう1月もたっているじゃないか
僕は行けなかった
よし、明
俺も一緒に行こう
あそこは大事なところだからな
どうすればいいんだ
受付には美鈴さんがいるじゃないか
水樹さんは病室に
僕が恋をしているのは
誰なんだ
幻か
幻なら消えてくれ
僕も、いっそこの世から消えてくれ
課長、僕がなんとかしますから
大丈夫ですよ
いや、お前ひとりだけじゃ失礼だろ
俺も早く気づくべきだった
明、ここだな
はい
大学病院となるとさすが広いな
はい
おや
病室から女の子達が俺達に手をふっているぞ
まあ、俺はこれでもいい男だとよく言われるからな
よし、俺が手をふってやる
あれ
手をふるのをやんだな
お前か
手をふってみろ
いや
課長いいです
上司命令だ
これも仕事だぞ
わかりました
キャア
おおお
女の子達が喜んでいるじゃないか
お前の営業も少しは役にたったようだな
いえ
お、紙飛行機が飛んできた
二人が同時に投げたぞ
まあ、お前あてだろうな
さっきの状況からしてな
明さんへ
水樹より
明さん、最後に会えてよかったです
私は明日から闘病生活を送ろうかと思います
やはり、髪の毛が抜けてでもいいから
また、明さんに会いたいです
それまでは、会えません
恥ずかしいから
生き抜くことを決意しました
美鈴には負けませんよ
明さん、待っていてくださいね
明さんへ
美鈴より
明さんは女性に対して失礼です
どうして、私が水樹なのですか
怒りますよ
せっかく癌も治ったのに
明さんは病気の女性が好きなのですか
健康な私では駄目なのですか
もう、営業にきても
受付の私は知らないふりをします
冷たく対応しますからね
でも
姉の部屋には案内します
でも
また、でもって書いちゃった
でも、明さんが営業が終わったら
明さんの後姿に手をふりますね
お仕事は大変ですが、頑張って下さい
たまには美鈴のことも思い出してくださいね
待っています
そこに君がいて
完
そこに君がいて 虹のゆきに咲く @kakukamisamaniinori
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