第2話 あの日の事は、あの事件は、口にしない
ツトムは、徹が準備してくれた、スマホのナビに教わりながら3階建てのマンション103号室前に着いた、表札には、名前が無い チャイムを押す 。
[お帰り ] 徹は 優しく 普通に 1年半前と同じ様に何も無かった様に装いながらそう言った。
[ああ、ただいま ] ツトムは、小さく言った。[ 初めて来たけどね] 続けて言って軽く微笑みむ
[小さいけどお前の部屋 あるから、、まあ入れよ、お前の家だから] 次の言葉は、もう兄弟のいつものそれと同じだった。
徹は、弟だが、ツトムとは、双子の兄弟なので兄、弟の認識は、なく 普通の兄弟が兄に発する言葉の感じではないもっとお互い理解し合える、言葉無くても分かり合える そんな言葉、また
そんな存在であった。
[あ、ここ お前の部屋]玄関のすぐ横の部屋のドアを開けて 徹が言う。
ツトムは、軽くうなずく
ダイニングのイスにツトムを招いて徹は、お茶の準備をする [麦ちゃしかないけど]徹が言うと、ツトムが軽くうなずきながら、[なんでも]
テーブルで顔を見合わせながら
[たいへんだったな ご苦労 だったな]
徹が少し緊張したものごちで、 言う
[大丈夫 、、、、、、、大丈夫、、、]
ツトムが言う
[オヤジもかーちゃんも仕事で6時くらいになると思うよ、] 徹が言う
[今のうちに聞いてもいいか?]
また徹が言う
[あの日の事だよな]ツトムが言う
[ねーちゃんは、 もう、 本当に
大丈夫 なんだよな 今は
幸せにしてるんだな?] ツトムが、少し強めに言う
[大丈夫だよ 結婚もして大森さんと大森さんの実家のある青森で生活してる あの事は、すっかり忘れて幸せにしてるよ、、、、、、]
徹が、心配させないよう優しく言う
[ツトムは、全部知ってるんだよな]
徹の緊張した言葉が静かな部屋におちる。
ツトムが静かに喋る
[うん、聞こえた、アイツがでかい声で
自分が被害者みたいな事言って騒いでたからな あとは、姉ちゃんの様子とオヤジが狂った様にアイツに殴り掛かった事で察しが着いた。]
そして、それから
[アイツがオヤジを殴り返して(正当防衛だと言って)オヤジを何度も 何度も殴って 気絶してるのに 殴って 殴って、、、、だから、ああするしかなかった、、、、いや オヤジの代わりに 殺してやろうと思った。................
徹は、全部知ってるのか?]
[ああ、解ってる。オヤジからだいたい聞いて かーちゃんの精神科医の先生からも あと お前の弁護士の先生から 全部聞いたよ] 徹が言う 続きざまに徹が強い口調に変わって
[じゃー もう、、、
あの日の事は、あの事件は、口にしない 忘れよう いいか ? ]
[ 分かったけど 分かってるけど]ツトムは、意味深につぶやいた。
いれかわる @kankan2021
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。いれかわるの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます