スヴェイン不在のコンソール

973. 倒れたスヴェイン

「ふぅ……」


「どうかいたしましたか? スヴェイン様」


「いえ、なんでもありません。少し体が重いだけで」


 ここ数カ月、邪神騒動に竜災害、麻薬粉末など様々な出来事に対処してきました。

 最近でも錬金術士ギルドの新市街支部やほかのギルドの件で走り回っていましたしね。

 疲れがたまってしまったのかもしれません。

 特に、竜災害の時は『帝』の力も使っています。

 あれは本来、人間の器で使うものではないので、相当なダメージがたまっているはず。

 どこかでまとまった休みを取る必要が……。


「あ、あれ……?」


「スヴェイン様? スヴェイン様!?」



*********

***アリア



「アリア様、スヴェイン様の具合はいかがでしょう?」


 急に倒れたスヴェイン様を寝室に寝かせて診断と薬の投与を終え外に出ると、心配そうな顔をしたミライが待っていました。

 ユイとリリスもいますが、ミライほど深刻そうな顔はしていませんね。

 ちなみにニーベちゃんとエリナちゃんは先に錬金術士ギルドに行かせてあります。

 ギルドマスターとサブマスターが遅れるのですから事情は説明せねば。


「はい。重度の過労状態です。やはり、竜災害のあともあまり休まずに走り回っていたことが災いしているようです」


「そんな。大丈夫なんですか、スヴェイン様は?」


「心配いりませんよ、ミライ。〝女神の口づけ〟を使ったため、しばらく目を覚まさないでしょうが、命に別状はありません。それ以前に、私たちは霊薬の力で不老不死になっています。一時的な疲労状態はあっても、死に至ることはありません」


「そ、そうでしたか。あ、でも、これから錬金術士ギルドってどうすれば……」


「そこはサブマスターであるあなたが考えなさい。家のことは私とリリスがしっかりと守ります。あなたはしばらくの間スヴェインの城の維持だけを考えなさい」


「はい! わかりました!」


「アリア、私はなにをすればいい?」


「こう言うとなんなのですが、今回ユイに頼むような仕事はありません。薬草なども足りていますし、わざわざ出かける理由もないでしょう。ですが、スヴェイン不在とわかれば裏の者たちがなんらかのアクションを起こす可能性もあります。そこに注意をしてください」


「つまり、あまり出歩かない方がいいのね。了解」


「先ほども言いましたが、リリスは私と一緒にスヴェインの看病です。目覚めるまでしばらくかかると思いますが、命に別状はありません。気長に待ちましょう」


 ふう、どれくらいで目を覚ますかわからないのが問題なんですよね。

 スヴェイン様も竜帝玉で身体能力が強化されている分、倒れるほど疲れているとなると、回復に時間がかかるかもしれません。

 こうなる前に休んでほしかったのですが、現在のコンソールではそれも難しかったのでしょう。

 はあ、ままなりません。

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