934. 戦闘終了後
アリアが合流し邪竜の『帝』を撃破したことで、僕たちの戦いも終わりました。
ただ、大地の汚染は著しく、迅速な浄化が必要となります。
これは聖竜たちだけでは手が足りませんね。
「アリア。僕たちも明日から大地の浄化作業を始めましょう。よろしいですか?」
「構いません。それにしても、さすがは邪竜の『帝』だけありますわね。汚染がここまで深刻とは」
「僕も嫌になっています。カイザー、この汚染がこれ以上広がらないようにブレスで焼いておいてください」
『わかった。各地の汚染もほかの聖竜たちに浄化させよう』
「頼みます。僕とアリアは『パンツァー』のところに行って状況を聞いてきますので」
『心得た。それにしても、邪竜をそそのかして自分たちの囮に使った竜族か。正体が気になるな』
僕もそれはとても気になります。
ただ、そんな竜が証拠を残すような真似をするでしょうか?
アリアの話では『パンツァー』が相手の
でも、『パンツァー』の高火力で倒したのでしたら原形を残していないでしょうね。
『む、来たか、スヴェイン』
「ご苦労様です、『パンツァー』。それで、敵の竜族に心当たりはありますか?」
『ないと言えばない。だが、存在するはずのない竜族を含めると微かに伝え聞く程度ではあるが特徴の一致する竜族がいる』
「『パンツァー』が微かに伝え聞く程度の存在するはずのない竜族?」
そんな竜族、おとぎ話や作り話の類いでしょうに。
ですが、『パンツァー』がこのような状況下でそんなふざけた話をするはずもないですし、詳しく話を聞いてみましょう。
「『パンツァー』その竜族とは?」
『『人竜族』だ。普段は人の姿で過ごし、戦闘の際にはドラゴンの姿も取れる。寿命もドラゴンと同程度に長く、肉体的な強度もドラゴンのそれに近い。話に聞く特徴はこれだけだがな』
「『人竜族』? ドラゴニュートではなく?」
『ドラゴニュートは竜の因子を持った二足歩行のトカゲだ。人に近い姿をしているし、知能も人と同程度だが起源は別の生き物となる』
うーん、『人竜族』ですか。
僕も聞いたことがありません。
聖獣たちも竜族にはあまり詳しくないでしょうから、聞くだけ聞いて反応があれば儲けもの程度に考えておきましょう。
それにしても、『パンツァー』の戦っていた方は、単純に大地がぼろぼろになっていますね。
遠くにいても爆音が聞こえてくるほどでしたから当然かもしれませんが、至る所で大地がえぐれ、岩や木が吹き飛ばされています。
こちらはこちらで復旧が大変そうです。
相手が本当に『人竜族』なる種族なのかどうかも調べなくてはいけませんし、なぜコンソールを襲ったのかも知る必要があります。
戦闘後もやることは山積みですね。
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