922. 戦闘開始
偵察に出ていた聖竜たちにはそのまま戻ってもらい、邪竜族の様子を確認することにしました。
僕も確認しましたが、邪竜族は巣の中にあったコブのような物からどんどん湧き出してきており、数えるのも馬鹿らしい程の数になっています。
さすがにこれと正面からぶつかるのはあまりいい戦法とは言えませんね。
『どうするのだ、スヴェイン。我が先に出向くか?』
「カイザーはその場で待機を。あちらがどう動くかわからない以上、うかつに守りの配置を崩せません」
『わかった。だが、やはり歯がゆいな』
「それは誰でも同じですよ。それよりも、聖竜の里から
『承知した』
カイザーとやりとりをしている間も邪竜族の数は増え続けます。
救いは
もうすぐ日暮れですし、その前に一当てしておきましょう。
「最上位聖竜20匹、集まってください。邪竜たちに先制攻撃を仕掛けます」
『かしこまりました』
聖竜たちからの念話が帰ってきてすぐ、空の彼方から夕日を受けて輝く鱗を持った聖竜たちが飛んできました。
聖竜たちは、邪竜たちから気付かれない距離で止まってくれましたね。
話が早くて助かります。
「僕が『竜の帝』の力を使って背後にある邪竜の巣を叩きます。それにあわせて皆さんもブレスで周囲を焼き払い、そのまま離脱してください。ブレスを当てることだけに集中して組み付かれたりはしないようにお願いします」
『ご下命、預かりました』
「では、行きますよ」
僕は体内にある『竜帝玉』の力を使い、竜帝の姿になります。
そして、ブレス代わりの魔力波をいまも邪竜族が湧き出し続けている巣に向かい、一気に解き放ちました!
その魔力波は巣どころか岩盤をえぐり、轟音と砂埃をあげてついでと言わんばかりにそばにいた邪竜族も消し去ります。
これは上々ですね。
『帝に遅れを取るな! 行くぞ!』
『おぉ!』
僕の攻撃を合図に、呼んでおいた聖竜20匹も邪竜の群れに向かって突撃し、高所から聖なるブレスを吐きかけます。
邪竜にとって聖竜のブレスは天敵のようなもの、その身を焼かれた邪竜は力なく息絶えていきました。
邪竜も黙ってはおらず、空に飛び出して聖竜たちを撃ち落とそうとしたり、ブレスで対抗しようとしたりする者もいましたが、そういった者たちをすべて聖竜たちはかわしていきます。
うん、事前に命令してあったとおりですね。
最後方までブレスを吐き終わった聖竜たちははるか上空へと退避していきました。
それを追いかけようとする邪竜もいましたが、それを目がけて僕の2回目の魔力波が突き刺さり、ついでにその周囲の邪竜たちも焼き払っていきます。
その魔力波を使い、邪竜たちの周囲に聖なる魔力障壁も完成させ、結果は上々と言えるでしょう。
魔力障壁もそんなにもたないはずですし、すぐに戻って次の対策を練らないとなりませんね。
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