邪竜族との戦闘
918. 火急の知らせ
新市街を手にしたコンソールは、急ぎ政策を進めていきました。
その中には聖獣の泉を作ることもあり、僕がその設置候補地へと出向いて設置可能か調べています。
ただ、ちょっと新市街は聖獣たちがあまり集まってこないみたいで、苦戦していますね。
これは仕方のないことでしょう。
気長に……。
『スヴェイン、少しいいか?』
「『パンツァー』? 珍しいですね、あなたから声をかけてくるだなんて」
『遠くの方から邪竜の気配が感じられた。すぐに消えてなくなったが、用心するべきだろう』
「邪竜ですか。悪神といい、今年のコンソールは災難続きですね」
『まだコンソールに向かってきているとは限らん。しかし、来る前提で対策を進めておかねば手遅れになるぞ』
本当に面倒なことが続きますね。
『パンツァー』から詳しい方角を聞くと、なにもない方角に確認されたので人的な被害は出ないでしょう。
聖獣の森や聖獣の泉を避けているところも嫌らしいのですが。
「錬金術士ギルドマスター、邪竜がこの街に向かってきているというのは本当かね!?」
臨時で開いてもらったギルド評議会。
議題は、『パンツァー』が発見した邪竜のこと。
そうなればこの質問も当然でしょうか。
「まだ決まったわけではありませんが、『パンツァー』が遠くの方に見かけたと証言しています。『パンツァー』の目はかなりいいのですが、その視力の範囲に邪竜が入り込んでいるとあればなにかあると考えるべきでしょう」
「なにかある……巣でもできちまったとかか?」
「その可能性も否定できません。僕は明後日、聖竜たちを伴い武力偵察を試みます。相手の出方がわからない以上、こちらから突くしかありませんからね」
「危険ではあるが、それが一番か」
「なにもしないでいるよりはマシです」
僕は肩をすくめておどけてみせますが、事態はかなり深刻です。
聖竜が集うことがわかっているこの地に、邪竜が近づいてきている、それだけでも異常事態なんですから。
以前カイザーを助けたとき、黒竜族の竜帝玉は奪いましたが、邪竜族は王が出てきていなかったため、そのままだったんですよね。
力を取り戻したので復讐に来たのかなんなのか、しっかり見極める必要があります。
……それにしても、今年はこんなことばっかりですね。
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