914. ギルド建設中
新規ギルド支部の建設は着々と進められました。
本来であれば秘密裏に進められるべきものですが、今回は釣り餌の意味も込め大々的にやっています。
それに、毎日聖獣たちが建設現場を出入りしているのでとても目立つのでしょう。
興味を持った新市街の市民が寄り集まってきています。
そんな市民を見逃さないのが聖獣たちで、一緒に遊ぼうとして愛嬌を振りまきにいったりするなど、建設現場はお祭りのような騒ぎとなっていました。
本当に手が早い。
「親方。ここの進行状況はどれくらいですか?」
僕は今日も視察ということでギルドの建設現場に足を運びました。
今回のギルド建設にあたり、荒事も予想されるということで、そちらへの対応もでき、さらに建築ギルドとも仲の良い僕が選ばれたんですよね。
僕も急ぐ仕事はないのでちょうどいいといえばちょうどよかったのですが。
「ん? 錬金術士のか。ここは数日分早く進んでいるってところだな。やっぱり、聖獣たちが積極的に手伝ってくれるのは助かるぜ」
「それはよかった。もめごとは起きてませんか?」
「そっちも問題ない。起きそうな気配を感じたら聖獣たちがかっ飛んでいって仲裁してるからな。ケンカの内容もたいしたことじゃないみたいでいまのところ大きな騒ぎにはなっていないようだ」
ふむ、まだ妨害は始まっていませんか。
それとも、妨害するつもりはない?
とにかく、もうしばらく注視が必要ですね。
最終的に南も手に入れば、農業ギルドを除くすべてのギルドの支部が建つ予定です。
まだこの噂をまくには早いですし、もう少し様子を見ましょう。
「わかりました。怪我をしないようにお気を付けて」
「おう。そっちも見回りお疲れさんだ」
この調子ですべての現場を回り、今日のところはどこも問題ないことを確認しました。
街の人たちの様子も明るくなってきているようで大変よろしい。
コンソールの衛兵を集中的に配備してますから、悪事も簡単にはできません。
治安維持と景気の活性化、この二本柱でしばらく南のボスの出方を待ちましょう。
必ずどこかで音を上げ始めるはずですからね。
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